イヤホン(BOSE IE2)のケーブル交換

投稿 2025/02/12 (水) 午後 05:24 | オーディオ・ビジュアル | hotall

かつての私は、新製品が出ると、カタログを眺めたり、店で手に取ってみたり、あれこれ悩み、意を決して買って帰るのです。そして、手に入れた製品を眺め、所有した喜びを味わっていました。
そんなわくわく感が好きでした。

それが最近では、そんな欲求も減ってしまったように感じます。
これも年齢のせいなのでしょうか。

むしろ、使い古したものを、修理しながら使い続けることの方が、充実感を得られるようになったのです。

写真のBOSE IE2は、先代のIEから買い替えて15年くらい使い続けたイヤホンです。

IEもケーブルの被覆が劣化して処分しましたが、今回も被覆がボロボロになってしまいました。
ウレタン素材の被覆は肌触りが良いのですが、耐久性は良くありません。
流行りのTWSにでも買い替えようかと思いましたが、ケーブルだけの問題で捨ててしまうのは勿体ないので、修理することにしたのです。

この文書は個人的なものであり、読者による修理を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。





たまたま、東京に出る用事があったので、秋葉原でケーブルを買いました。

オヤイデ HPC-28-2U V2 ツイストケーブルです。
オヤイデがお休みだったので、向いの千石電商で買いました。

ハウジングの背面のカバーを外します。

ブッシュを引き上げて外します。

少し余裕を持たせてケーブルを切断します。

元のイヤホンからブッシュと左右のケーブルの長さを調節する部材を外し、新しいケーブルに嵌めます。

新しいケーブルの外被を少し剥がし、中の線を引き出します。
外被が戻らないようにクリップで止めます。

ハウジング側とケーブル側の線を撚ってまとめます。
その際、補強用の糸をできるだけ取り除くと半田の乗りが良くなります。

銅線のエナメルを焼いて取り除きます。

写真はありませんが、炎を当てると、一気に焼き広がってしまうので、ペンチで摘み、焼く部分だけ出すようにします。

予備はんだをします。

一方の線にヒシチューブを被せ、はんだ付けて結線します。
ヒシチューブははんだ付けの位置までずらし、半田ごての熱で収縮させます。
リッツ線は銅線が細く、特にこのイヤホンは、線が細いのに加え、本数も少なく、少し力を加えるだけで容易に切れてしまいます。

今回も、はんだ付けの際、何度も切れてしまいました。
線が切れる度に、心の緊張も切れそうになり、このまま、ゴミ箱に投げ捨てたい衝動と戦いながらの作業となりました。

幸い、ハウジング側のケーブルに余裕を持たせておいたおかげで、なんとか銅線が尽きる前に繋ぐことができました。

後は、ハウジングにケーブルを収め、ブッシュを嵌め、エポキシを充填して固定します。

接着剤が固まるまで、クリップで固定しておきます。

プラグ側も同様に結線します。

外被の切れ目を覆うためと、左右の分け目で解れないようにするために、それぞれのヒシチューブを被せておきます。

結線後に、ヒシチューブは目的の位置までずらし、熱で収縮させます。

出来上がりました。
新しいケーブルは銅線の太さも本数も増したためか、音が良くなったように感じます。
確証バイアスでしょうね。幸せならば、それでもいいのです。

ハウジング内の銅線も短くなっていますし、エポキシでガッチリ固めていますので、次回の修理は不可能でしょう。
その時は、昔のように新製品の購入を楽しみたいと思います。
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