小型アンプ(BOSE 1705II)のリフレッシュ

投稿 火 9/10 17:37:04 2024 | オーディオ・ビジュアル | hotall

学生時代から、ながら族の私は、机に向かうと音楽を流しています。
ですからデスクトップオーディオは必需品となっています。

最近では、悲しいことに、耳鳴りとか聞こえ辛さとか、耳の不調も増える歳になりました。
オーディオ機器も劣化しますが、耳のほうも衰えるので、一体どっちの不調かわからなくなっても不思議ではありません。


さて、デスクトップオーディオに使っているアンプは12年以上経っていますので、色々と不具合が発生しています。

特にボリュームのガリが酷く、時々、全く鳴らなくなることさえあります。
それに、音もなんだか籠っています。これは耳の老化だけではありません。たぶん。

そこで、このアンプをリフレッシュすることにしました。

この文書は個人的なものであり、読者による修理を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。




作業内容は次の通り
  • スライドボリュームのガリを改善する。
  • 電解コンデンサを新品のオーディオ用電解コンデンサに交換する。
  • オペアンプをアップグレードする。
  • パワーアンプICを新品に交換する。

まずはケースを開けます。

基板を取り出します。

左側がプリアンプ基板とスライドボリューム基板。
右側が電源・パワーアンプ基板です。

アンプ部分はICなので、シンプルな構成で、比較的簡単に作業が出来そうです。

交換できるオペアンプを選定するために、現在のオペアンプの電源電圧を測ります。

±12Vです。
ほとんどのオペアンプに交換できます。

ボリューム基板を外します。

基板からスライドボリュームを外します。

ガリを直すにはボリュームを交換するのが最も確実な方法ですが、取りあえず分解してみます。

分解しました。

以前、接点復活材を吹きかけたので、液体に塗れています。

綿棒で拭うと、黒い液体になっていました。

おそらく、これは、接点のカーボンが剥がれたものでしょう。

接点復活材は一時的に接点不良を改善しますが、カーボンを剥がれ易くしてしまうのかもしれません。
結果的にボリュームの寿命を短くしてしまったのでしょうか。

一応、綿棒できれいにしておきます。

レバーの接点もきれいにします。

すべての基板のコンデンサーの容量・電圧を調べ、ICと共に新しい部品を入手します。

このアンプは結構熱くなるので、電解コンデンサは105℃のオーディ用にしました。
これで寿命も延びると思います。

電源/パワーアンプ基板の電解コンデンサを交換します。

これが交換前の基板です。

サイズは元の部品より高さがあります。特に電源の大型電解コンデンサは、そのままでは入りません。

横向きに配置し、リード線を延長し、元の穴まで引いてきます。

リード線は基板のジャンパ線と接触しそうなので、絶縁が必要です。

基板にはんだ付けします。

残りの電解コンデンサーとパワーアンプのICを交換します。

プリアンプ基板の電解コンデンサを交換します。

これが交換前の基板です。

ここも電解コンデンサーを横向きに配置します。

オペアンプを交換します。
ちょっと高価ですが、オーディオに特化したオペアンプにしました。
J-FET入力のMUSES01です。

組み立てます。

今回交換した古い部品達です。
長年のお勤め、お疲れ様でした。
早速、試聴します。

ガリは軽減されました。
音も明らかにクリアになりました。

まだしばらくは、このアンプと私の耳は使えそうです。

次のリフレッシュは12年後でしょうか。
その頃には補聴器を着けているかもしれませんが。

実は、2週間後、ガリが再発したのです。
やはり、部品の交換が必要なようです。

LDプレーヤー(PIONEER CLD-07G)のリフレッシュ

投稿 土 9/ 7 18:19:33 2024 | オーディオ・ビジュアル | hotall

病気の治療には寛解という言葉があります。
完全に治った訳ではないが、病気がコントロールできる状態の事です。

機器を直す場合も、完全に初期の性能に戻すことは難しく、そこを求めていくと、時間と労力が、とてつもなくかかってしまいます。時には、修理前よりも悪化してしまうこともあります。
どこまで修理をするのか、どこで納得するのか。いつも悩まされます。

私のレーザーディスクプレーヤー。四半世紀も前の製品です。
デジタル画像に慣れてしまった現在、かつての高画質は、すっかり見劣りするようになりました。
それでも、時々、当時良く観た影像が恋しくなり、LDレコードを回します。

最近、またもやトレイが開かなくなり、また、それ以前にミストラッキングも起きるようになっていました。
廃棄することも考えましたが、無くなると寂しいので、駄目元で、修理することにしました。

この文書は個人的なものであり、読者による修理を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。




今回の作業は次の通り。
  • ベルトの交換
  • 電解コンデンサの交換
電解コンデンサの交換は、今までで最も多い数となります。
時間がかかりそうなので、毎日少しずつ行います。

ドライブベルトは既成のものではなく、自分で作製するウレタンベルトにしました。
ゴムベルトより伸びが少ないので、微調整が必要ですが、耐久性が良いとのことです。

前回のベルト交換と同様に、カバーを外し、トレイを引き出します。
ベルトが滑っているので、モーターに繋がっているプーリーを手探りで回します。

ベルトが見えました。
ベルトを外します。

ベルトのサイズを測るため、タコ糸をモーターとプーリーに2周巻き付け、ペンで印を付けます。

紙の上にタコ糸を張り、ペンで紙に印を写します。

元のベルトと測定したベルトのサイズです。

ウレタンベルトを印の間隔より少し短く切り取ります。

切り取ったウレタンベルトの両端を半田ごてで溶かし、接着します。

接着した個所は盛り上がっているので、ニッパーで削ります。

出来上がったベルトを元の場所に嵌めます。
試運転をして、トレイの開閉に問題ないか調べます。
まだ、滑るようであれば、再度、ウレタンベルトを外し、接着個所で切断し、少し短くして再度接着します。
この作業を繰り返します。

このウレタンベルト、通常のゴムベルトより硬いので、馴染むまでに少し時間がかかります。
最初は問題なく開閉できるのですが、しばらく使っていると、滑ることがあります。
私は最終的に2回作業を繰り返しました。

次は、電解コンデンサーの交換です。
基板を取り出さなくてはなりません。

基板は4種類あります。
正面から見て、右端に縦置きにされている映像基板。
そのすぐ横に音声基板、
その下に、大きな制御基板、
そして、左端に電源基板です。


まずは音声基板。
シールドで見えませんが、・・・

2枚のサブ基板が積み重なっています。

一番下の基板です。右上の赤いオーディオ用コンデンサが目立ちます。

続いて、2枚がメッキ線で繋がっている基板です。
上が制御基板、下が映像基板です。

映像基板はシールドで覆われています。

制御基板は中央のCPUと右上の錆びたスーパーキャパシタが目に付きます。

映像基板のシールドを外してみました。
ICは背面にあります。
さて、ケーブルにタグを付け、基板の場所をメモしておきます。

コネクタになっているケーブルは、これを外し、はんだ付けされているケーブルは、はんだを取り除き、ケーブルを外します。

基板を本体から取り出し、それぞれの交換作業を行います。

まず、全ての電解コンデンサの電圧と容量を控えます。
これに基づいて、新しいコンデンサーを発注します。

電源基板はできるだけ固体電解コンデンサにし、それ以外は国内メーカーの汎用電解コンデンサにします。

音声基板はオーディオ用電解コンデンサにします。

映像基板・制御基板は、基本的にデジタル回路(映像信号はFM変調なので表現は微妙です)なので、そのほとんどがパスコンです。耐久性と周波数特性から、小容量なら積層セラミックコンデンサにし、それ以外は固体電解コンデンサにします。

今回は数が多いので、1日1基板を目標に作業を行いました。

交換後の電源基板です。

左側にあった小容量の電解コンデンサは固体電解コンデンサに交換しました。

音声基板です。

オーディオ用電解コンデンサと一部メタライズドポリエステルフィルムコンデンサに交換しました。
なんとなく見栄えがするようになりました。

制御基板です。

錆びていたスーパーキャパシタは新しくなりました。

電解コンデンサは銀色の固体電解コンデンサか青色の積層セラミックコンデンサに交換しました。
これで寿命が延びると思います。

映像基板です。

こちらも積層セラミックコンデンサに交換しました。

元通りに組立てて完了です。

それでは、視聴してみます。

あれ、こんなに画像が荒かったかな。
そう思いながら、3枚ほど再生し終わった頃には、画質が改善されていました。

チューナーの時にも経験したのですが、コンデンサを交換した時には、やはりエージングが必要なようです。

そこで、さらに3枚を放置状態で再生しました。

画質は、以前の状態に戻りました。
ミストラッキングもなくなりました。

ただ。どういう訳かトラック情報が読めなくなっています。
エラー表示はないので、内部的な設定でクイック再生モードになったのかと思い、スーパーキャパシタを放電して、リセットしてみましたが、変わりはありませんでした。

まだ色々と対策の余地はあるのですが、通常の連続再生には問題ないので、これ以上、足を踏み入れることは止めました。
ここが、妥協点ですね。

さて、感動が少なくなった昨今、この古くなった頭は交換できませんが、懐かしの映像を観れば、少しは心をリフレッシュできるでしょうか。

ノイズフィルターの設置

投稿 金 9/ 6 14:47:21 2024 | アマチュア無線 | hotall

あらゆる電子機器から電波は出ています。
これまでは気にもしていませんでしたが、無線機を使うようになって、如何にノイズが多いのか、実感させられます。

もし、電波が聞こえるなら、この騒がしさに、日常的に悩まされていることでしょう。

実際、無線機にはスキャン機能がありますが、キャッチするのはノイズばかりで、屋内ではこの機能をほとんど使わなくなりました。


一体どの機器からノイズが出ているのか、機器の電源を入り切りして調べてみると、特に、パソコンから強い電波を出していることがわかりました。

部屋にはサーバーが常時稼働していますし、運用する際は、ログソフトをデスクトップパソコンで動かしています。どうにか、これらの機器を止めずに、ノイズを減らせないかと思ったのです。

電源ケーブルや信号ケーブルには、手あたり次第にフェライトコア(通称パッチンコア)を嵌めましたが、思ったほど効果はありません。
信号ケーブルを抜き差ししてみると、どうも一番のノイズは電源コードから発しているようです。

そこで、電源コードにノイズフィルターを取り付けることにしました。

この文書は個人的なものであり、内容について一切の責任を負いかねます。



ノイズフィルターは既成品を使い、ケーブルと本体の間に繋ぎます。

ちょうど、インレットプラグタイプのノイズフィルターが見つかったので、これを使用することにしました。この製品は機器の電源端子として組み込むものですが、これに電源ソケットを付けることで、本体や付属の電源コードを加工することなく繋げられます。

ノイズフィルターを収めるケースを3Dプリンターで作成します。
ネジ穴はM3のタップを切ります。

既成の電源コードを切断し、ソケット側を使用します。

ケースにコードを通し、電源フィルターにはんだ付けします。
抜け防止に、コードはタイラップで縛ります。

フィルターをケースにM3皿ネジで固定します。

PC用とディスプレイ用を作成しました。

PCに設置。

ディスプレイに設置。
結果は・・・。
ノイズはなくなりはしませんが、レベルはかなり下がりました。

ノイズ対策は難しい。



下表は今回設計・使用した部品の一覧です。
3Dデータ(STLファイル)もアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
項目数量入手
フィルターケース本体1ダウンロード
ノイズフィルター
TDK-Lambda RPE-2010
TDK-Lambda RPE-2003
1ネット
電源コード
ソケット側3P/アース付き
1ネット
皿ネジ・ナット・ワッシャ
M3x12mm
2ホームセンター