2つの機器を繋ぐケーブルは断線し易いのです。数ある故障の中で上位に入るのではないでしょうか。
繋いでいるそれぞれの機器の自由を制限するのですから、負荷がかかるのは当然です。
システムは繋がることで初めて機能する事を考えると、ケーブルは簡単な構造でありながら、耐久性を求められる重要な部品と云えます。
一方、簡単な構造ゆえ、もし断線してしまっても、機器の故障に比べれば簡単に修理できます。
今回、妻が使っていたipodクレードルのACアダプターが断線してしまったので、直すことにしました。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。
また、ACアダプタの修理はショートによる怪我や発火の原因となることがあります。
ご自身で責任を負えない方は真似をなさらないでください。
ケーブルを動かしてみて、断線している個所の目星をつけます。
アダプタ側の付け根が断線しているようでした。
アダプタ本体のカバーは接着剤で閉じられています。今回はなるべく本体を壊さない方法で直すことにしました。
ケーブルブッシュにカッターを入れ、中の線を傷つけないように裂け目を入れます。
中のケーブルを引き出します。
シールド線が見えています。少し深く切りすぎました。
断線しているあたりでケーブルをカットします。
芯線の被覆を少し剥き、シールド線を束ねます。
芯線をペンチで引っ張ってみます。
こちら側で断線していれば、導線が抜けるはずです。
今回は抜けなかったので、こちら側の断線ではないようです。
カットしたケーブルの被覆に裂け目を入れます。
芯線の被覆を少し剥き、シールド線を束ねます。
先ほどと同様に芯線をペンチで引っ張ってみます。
今度は導線の何本かが抜けました。こちら側が断線しているようです。
抜けた導線の長さから断線している個所を特定し、その先でカットします。
再度、芯線の被覆を少し剥き、シールド線を束ねます。
アダプタ側の導線に予備半田をします。
ケーブル側の導線も予備半田をします。
導線の被覆としてヒシチューブを用意します。
この写真のヒシチューブは細すぎたので、太いものに変えました。
ヒシチューブは比較的薄いので、気になる場合は電工用テープを使用します。
ケーブルにヒシチューブをはめます。
芯線を半田で繋ぎます。
ヒシチューブをかぶせます。
ヒシチューブを半田ごてで収縮させます。
シールド線も同様に繋いてチューブを被せます。
不要な被覆はカットします。
芯線及びシールド線を裂いた被覆及びケーブルブッシュに入れます。
ショートの危険を考えると2本の導線の間を絶縁テーブなどで更に隔離した方がいいですね。
外側のヒシチューブを被せ、ケーブルブッシュの中に入れます。
ヒシチューブを半田ごてで収縮させます。
最後に全体をビニールテープで縛ります。
完成です。
今回、白いヒシチューブやビニールテープが手元になかったので、ちょっと不恰好になってしまいました。アップルのスノーホワイトデザインにマッチしませんね。
まあ、普段見えない部分ということで...(言い訳)
妻は優しく笑っていましたが...心のケーブルも大切です。(^^;)