アマチュア無線事始め

投稿 2024/08/16 | アマチュア無線 | hotall

私が中学生だった頃、BCLがちょっとしたブームでした。
もともと電子工作が好きで、ラジオを作ったりしていた私も、お小遣いを貯め、流行りのBCLラジオを買いました。


ノイズの中に僅かに聞こえる放送を求め、ベリーカードを集めるこの宝探しは、私を夢中にささせました。

アマチュア無線の事を知ったのも、その時です。
ときどき入ってくる、もごもごとした、雑音とも音声ともつかない不思議な電波。ラジオに付いていたSSBというスイッチを入れると、それは音声で、一般の人が会話を楽しんでるのが分かったのです。

興味が湧き、アマチュア無線について調べると、電波を出すには資格が必用で、しかも、無線機も高価であったので、中学生の私には諦めざるを得ませんでした。

月日が経ち、わたしも高齢者と呼ばれる年齢になりました。
何か新しい事を始めようと考えていた時、書店の資格本売り場で、アマチュア無線の対策本が目にとまりました。すっかり頭の中から消え去っていたこの言葉は、少年時代の思いを呼び覚ましたのです。

そうだ、昔諦めたこれをやってみよう。

実はその時、第二種電気工事士の試験を受けていました。筆記試験が終わり、ちょうど、実技試験まで、しばらく時間が空いていたところです。

安易に考えて対策本を購入しましたが、試験内容は結構難しく(私にとっては)。毎日、勉強をしましたが、結局、自信の無いまま、試験日を迎えたのです。
幸運にも、なんとか合格でき、開局までの壁の半分は越えることができました。

次は、無線設備です。
予備知識もないまま、秋葉原の無線機屋へ。
初めて入る無線機の店で、どきどきしながら、店員のアドバイスを受けました。

その時、無線機より先にアンテナを決めなければいけないことを知ったのです。
つまり、アンテナの種類はもとより、アンテナを設置する場所や方法を決めなければならないのです。

自分の無知に、恥ずかしくなりながら、また出直さなければならないのかと落胆しました。

悩んでいる私に店員は、初心者なら、まずはこれを買ってはどうかと、ショーケースの中のハンディ機を指差しました。

なるほど、これならば、取りあえずアンテナの事は考えなくて済みます。
私は勧められたID-52というアイコムの無線機を購入し、家に持ち帰りました。

早速、開局申請を出して開局準備です。
免許状が届くまでにしばらく日数があるので、交信の手順を覚えます。
それには、ワッチです。

わくわくしながら新品の無線機の電源を入れます。

ん?何も受信できません。
それはそうです。鉄筋コンクリートの集合住宅の屋内では、電波は届きません。


ベランダに出て、ようやく数局の電波を受信することができました。
しかし、ほとんどがトラック運転手のラグチュー。

周波数をメインチャネルに合わせ、無線機をベランダに放置して、CQ呼出しを待つしかありません。

そして、ようやく受信できた交信も、一方の声しか聞こえないのです。

それでも、相手局の通話を推測しながら、なんとか通話の流れを知ることができました。

それにしても、ワッチするたびにベランダに出るのは面倒です。
そう考えると・・・。
うーん、やっぱりアンテナか。

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