マウス(Microsoft Mobile Memory Mouse 8000)の充電異常

投稿 2013年12月15日 | パソコン | hotall

修理を重ねていると、自分の推測が次々と外れ、遠回りをすることがしばしばあります。
後から考えると、なぜ最初にそこにたどり着けなかったかと悔しい思いをしますが、対応をしている時点では、それなりの根拠があり、その推測に疑いもなく進んでいたのです。




先日、妻に私がマウスを直したことを話すと、妻が会社で使っているマウスが充電できないと持ち帰ってきました。

早速、このマウスを直してみることにしました。

この文書は個人的なものであり、読者による修理を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。







このマウスはパソコン側のレシーバーから充電用ケーブルをマウス本体に繋ぐことで充電します。

充電が開始されると、マウスのLEDが緑色にほたる点滅します。
しかし、問題のマウスは一瞬緑色に点灯したかと思うと、すぐに赤色に点滅します。
この点滅は充電に失敗したことを意味します。




最初に私はバッテリーの寿命を疑いました。
新しいバッテリーに交換しましたが、症状は直りません。

次にバッテリーの接点の不良を疑いました。
これを確かめるには、分解しなければなりません。
まず、バッテリーホルダーの底にあるネジ(トルクスT8)を外します。




次に充電ケーブルの溝にあるネジ(+小)を外します。




最後にシールに隠れているネジ(+小)を外します。




これで上カバーが外れます。
上カバーのスイッチ類を繋いでいるケーブルを外します。




複数の基板が積み重なっています。

一番下の基盤と上の基盤を繋いでいるフィルムケーブルを外します。
コネクタの白いストッパーを上にずらすとケーブルが外れます。




バッテリーを挿入し、疑わしい接点のはんだの電圧を測ってみました。
すると、電圧が測定できません。
やはり接点のはんだ不良だと推測通りだったことに内心嬉しくなりました。




再半田を行い電圧の測定すると、計測できるようになっています。
これで直ったと確信しましました。ところがテストした結果、症状は直っていません。
なぜと思いましたが、単に半田の表面が酸化していただけだったようです。




それならば、他にもバッテリーの接点不良となる箇所があるのではないかと調べてみると、マイナス側のばねが取り付けられている金属板のカシメが緩んでいるように見えます。

カシメを強くしてみるとLEDの緑点灯時間が若干長くなります。
これが問題だったのかと今度こそ故障個所を発見できたと確信しました。




それならば、ばねを金属板に半田付けすれば解決すると考え、これを実施しましたが、期待とは裏腹にこれも解決には至りませんでした。

少し行き詰った感があったので、一度、バッテリーの接続不良の線から離れることにしました。




この充電ケーブルは、一般的な雄雌のコネクタではなく、磁石の力で接点を繋いでいるものです。感覚的に少し頼りない気がします。

そう考えると、接点部分が少し黄色がかって見えます。
前のマウスがスイッチの接点不良だったことを思いだし、この接点を磨くことにしました。




前回と同様に細目の紙やすり(800番)を細く切り取ります。




切り取った紙やすりを爪楊枝の柄の先にテープで貼り付けます。




接点の凹部分にやすりを当てて、表面を軽く擦ります。
再びテストしてみると、一瞬ほたる点滅になりました。
これだったのかと、今度はマウス側の接点も磨いてみましたが、症状は元に戻ってしまいました。

結局この接点の問題ではなかったようです。念のため接続した状態で強く指で端子を押えてみました。押える力は一定なのにLEDの表示が変化します。
何に反応しているのか不思議でしたが、よく見るとマウスを持ち上げている腕が微妙に動き、ケーブルが振動しています。

この時、すべての謎が解けました。
原因はケーブルの断線です。完全に切れた状態ではなく、繋がったり切れたりが頻繁に起きている状態です。

そう考えると、今までの現象がすべて説明がつきます。
対処する度に直ったり元に戻ったりしていましたが、これは、その対処の結果ではなく、ケーブルの状態だったのです。

あまりに単純な原因だったことに疲れがどっと出ましたが、気を取り直しケーブルの断線を直すことにしました。




要領はいつもと同じです。
まず、断線している付近を切断します。




端子側の外側の被覆を剥きます。ブッシュごと根元から抜けてしまいました。
最終的にヒシチューブを被せるので、ブッシュは無くてもかまいません。




中の3本の線の被覆を剥きます。




導線を引っ張ってみると、赤の導線の何本かが抜けました。
ここが断線していたようです。
抜けた線の長さから断線箇所を特定し、そこまで切断します。




導線に予備半田をします。
熱で被覆が縮んでしまいました。




ケーブル側も被覆を剥いて、予備半田をします。




内部の線の被覆と外側の被覆としてヒシチューブを用意します。




ケーブル側の外側の被覆を爪でずらして、内部の線が長く出るようにします。




外側のヒシチューブをケーブルにはめておきます。
ずらした被覆が元に戻らないようにつまんでおきます。私はステンレス製のピンチを使いました。これは何かと便利でよく使います。

コードを接続する前に導線の被覆用のヒシチューブをはめます。

ヒシチューブと被覆に熱が伝わらないようにヒートクリップでつまみ、半田で導線を繋ぎます。




ヒシチューブを熱で収縮させます。

端子には強力な磁石が付いており、半田ごてを近づけると吸い付いてしまいます。
端子の一部を溶かしてしまいました。




ずらしていた被服を元に戻し、外側のヒシチューブを端子の根本まで被せます。




外側のヒシチューブも収縮させます。
これで完成です。

テストしてみると、見事に直っていました。
分かってみれば単純な原因でしたが、最初に浮かんだ推測に振り回され、かなりの遠回りとなってしまいました。


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