「どうやったらテキストに変換できるのですか?」
このソフトを使った方からよく聞かれます。
その度に、ほたるメモは画像データのまま保存するソフトで、テキストには変換できませんと申し訳なく返答します。
相互運用性を考えれば、キャラクタコードで表現されるテキストデータのほうが優れていることは明らかです。
もし、手書きデータがエラーなしに変換できる技術があれば、ぜひ導入したいところですが、手書き入力で長い歴史を誇る電子辞書でさえ、変換誤りは発生します。
変換誤りがゼロでなければ、入力-変換の後に目視チェック-訂正の段階が必要になり、手書きの意味が薄れます。
テキストの入力が必要な時、私ならば、手書き変換するよりも、ソフトキーボード入力を選びます。キーボード入力は慣れれば、それなりの精度でそれなりに速く入力できるからです。
相互運用性のデメリットを差し引いても、テキスト変換を行わない手書きメモが良いと思うことは二つあります。
一つは手書き行為自体が記憶に結びついていることです。
学生の頃、何かを覚えるにはひたすら書き写していたように思います。
先生の言葉、黒板に書かかれた文字、教科書の文章。
真偽のほどはわかりませんが、書くことと復唱することは記憶する秘訣だと教えられ、今でもそれを信じています。
手書きのもう一つの利点は、周辺の状況と一緒にイメージとして記憶されやすいことです。
我々は、何かを記録したいためにメモをしますが、記録したいことのすべてを文章で表すことはできません。一部のキーワードをメモに記録するだけです。後で記録した時点の思考を再現するためには、メモのキーワードに紐付けされた頭の中に記録されている記憶を呼び覚ますことが必要となります。
手書きメモの場合、書いた文字は同じ言葉であっても、手書きの文字はその時々で形が変わるので、言葉としてだけでなく、映像として頭の中に入るようです。
私の他人が読めない下手な字も、後で見れば、書いた内容だけでなく書いた時の状況を思い出すことが多々あります。
その文章の意味やその周辺の状況と一緒に、手書きの文字がユニークなアイコンとして記憶されるからかもしれません。
私の勝手な憶測かもしれませんが、これらのメリットがある限り、紙のメモをはじめとする手書きのメモが必要とされ続けるのではないかと考えています。
コメント
投稿 mk | 2011/03/15 (火) 午前 09:43 | 09時43分57秒
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メモといっても、活字にできる文字だけでなく、矢印や丸や星を自由に使えますよね。携帯電話にあるような絵文字を自分オリジナルで作ることもできますね。
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