前回の投稿では、「Y軸の精度が上がらない」問題は解決しませんでした。
今回は、より詳細に調べ、解決したいと思います。
ディスクは正円にも係わらず、X軸方向とY軸方向でサイズが異なっていることに気づきました。
更に調べると、X軸方向は正しいのですが、Y軸方向が設定より短くなっているのです。
ずれは移動距離に係わらず0.5mm短くなるように発生します。
この現象から、構造上のガタか、バックラッシュと呼ばれるギアなどの遊びによるものと考えられます。
考えられる原因を挙げてみます。
- ネジの緩みによる部品接合部のガタ
- ベルトの緩み
- ベルトの伸び
- ベルトとプーリーの遊び
ところが、ベッドはほとんど動かないのです。
見たところ、少なくともネジの緩みなどの問題ではなさそうなので、プーリーかベルトの問題であると仮定し、これらを個別に調べてみることにしました。
プーリーも3Dプリンタで作成されているので、穴には層状の凹凸があったのですが、これが無くなり、明らかに摩耗しています。
結局、プーリーとモーターの接合部のガタが今回の原因だったのです。
Y軸駆動系は厚いアルミ板やヒーターなど重い部品で構成されているので、ベルトやプーリーにはX軸駆動系よりはるかに負担がかかっています。
樹脂製のプーリーには、この負荷が耐えられないようです。
ところが、ぴったりとしたサイズのものが見つかりません。
なんとか内径以外は適合するプーリーは見つかったので、仕方なく、これを購入して加工することにしました。
大手国産メーカー 椿本チエインの製品です。歯も台形で、バックラッシュも少なそうです。
しかし内径は4mmです。
プーリーを万力で固定し、ハンドドリルで穴を5mmに広げてみました。
広げることはできたのですが、手作業での軸合わせは難しく、案の定、中心がずれてしまいました。
幸い、歯の中央部分は中心だったようで、ベルトの端は多少揺れますが、中央の揺れはほとんどなく、何とか使えそうです。
やはり精密に加工するためには、ボール盤など、それなりの道具が必要ですね。
今回はねじ止めできるので、ガタも完全になくすことができます。
再度、Y軸スパンの測定と調整を行い、進行方向によらず、ずれはなくなったことを確認しました。
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