涓滴岩を穿つという言葉があります。
努力を続けることで、困難な問題も解決できるという意味ですが、
その例えとなった、水滴のような弱い力でも、長い時間を重ねると、固い岩も穴を開けてしまう意味で、今回の故障は、まさにそのような原因で起きました。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。
これが問題のペンダントライトです。
真ん中にボール球、奥に2本のサークライトがあり、切り替えて点灯できます。
もともとアクリル樹脂の笠があったのですが、割れてしまい、和紙で自作しました。
このライトがスイッチを操作してもサークライトが点灯しなくなりました。
下のカバーを外します。
電球を外します。
スイッチのひもを外します。
本体のカバーを外します。ソケットとスイッチ、そして2つのインバータ回路基板があります。
スイッチを固定しているねじを外し、様子を見てみます。
さびとすすで汚れています。
取り敢えず、接点をきれいにしてみます。
接点復活剤を使用します。
接点復活剤を吹きかけます。
綿棒で汚れをとります。
試しに、組み立てて、点灯してみました。
やはり弱電機器ではないので、この程度では直らないですね。
スイッチを詳しく調べてみます。
スイッチを取り外しました。
ネジ類はなく、軸をかしめてあるだけです。
軸のかしめを外します。
ばらばらになりました。
先ほどの接点復活剤で濡れています。
本体のきれいにして観察してみると、三つある接点のうちサークライトの接点が完全に無くなっています。
接点の金属は固く、接触部分もそんなに強い力が掛かっているとは思えないのですが、長年、カチカチとひもを引くたびに、接点の接触による摩耗が繰り返され、このように破損してしまうのですね。
接点を取り外しました。
端子部分だけになっています。
使えそうな部品を探すと、以前、照明器具から外したソケットが見つかりました。
ここから接点として使えそうな部品を移植します。
このソケットの真ん中の接点が使えそうです。
分解すると、このような部品が取れました。
真ん中の金属部品を使います。
ペンチで整形します。
新しく作った接点をはめます。
ぴったりとはまるまで、整形してははめるを繰り返します。
虫歯の治療に似てますね。
スイッチを元通りに組み立てます。
スイッチを配線し、本体に取り付けます。
全体を組み立てて、完了です。
結果、無事、直りました。
少し不安なのが、今回直した接点以外に摩耗している接点もあったので、そのうち同じように故障するかもしれないということですね。