サウンドカード(玄人志向CMI8768-8CHPCIE)に前面パネルオーディオコネクタ(AC'97)を実装

投稿 2013/07/04 (木) 午後 12:31 | パソコン | hotall

パソコンの周辺機器を廃棄する理由には、いくつかあります。
機器自体が壊れてしまい、修理できない場合、また、より良い製品に乗り換える場合もあります。
しかし、一番悔しいのは、メーカーが新しいOSのサポートを止めてしまった場合です。




私の持っているUSBオーディオアダプタ(ONKYO SE-U55GX)はWindows標準のデバイスドライバでは繋がらず、メーカーが提供するデバイスドライバが必要となります。

これまで、Windowsはデバイスドライバの構造が度々変更されました。
周辺機器メーカーは、これに合わせてデバイスドライバを作り直して、新しいOSに対応することになるのですが、古い機器のサポートを早々に止めてしまうことがあります。

確かに、購入当時のパンフレットには対象OSのバージョンが記載されているので、それ以降のOSに対応する義務はないのですが、半強制的にOSのバージョンアップを迫られるユーザーとしては、やるせない気持ちになります。

今回のUSBオーディオアダプタもWindows Vista以降のデバイスドライバが提供されず、インストールできても、プチプチノイズが入ってしまい、折角の高音質を謳う性能が台無しです。
それでも、今まで我慢して使い続けてきましたが、ついに買い替えを検討することにしました。

最近は、USBオーディオ機器も増え、選ぶのにも苦労するほどですが、良いものは高価で手が出ません。かと言って中途半端なものも買う気になれず、考えあぐねていたところ、問題のUSBオーディオアダプタに光デジタル入力があることを思い出しました。

それならば、パソコンに光デジタル出力付のサウンドカードを追加して接続すれば、安価で、しかも古い機器が活用できるのでエコでもあります。
幸い安価なサウンドボードが見つかり、早速ぽちっと購入しました。




玄人志向のCMI8768-8CHPCIEです。
このカードはアナログ出力の性能としては未知数ですが、今回の主目的である光デジタル出力を持っている点で、要求を満たしています。

ただ、たまにパソコン前面にイヤホンを繋ぐことがあるのですが、このカードには前面パネルオーディオコネクタがありません。
これでは前面パネルにイヤホンを挿す度に、パソコン画面でサウンド出力をいちいち切り替えなくてはなりません。

この点について半ば諦めていたところ、このボードは光出力とアナログ出力が同時に出せることが分かりました。
そこで、このアナログ出力を前面パネルで使えるようにAC'97コネクタを実装することにしたのです。

この文書は個人的なものであり、読者による改造を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。
ユーザーによる改造はメーカーの保証・修理が受けられなくなります。







オスのピンヘッダーを用意します。




5列X2本にカットします。
2本目の4番目のピン(コネクタ上の8番ピン)をカットします。




土台となるユニバーサル基板を用意します。
ネジ穴があると便利です。




基板を適当な大きさにカットします。




ピンヘッダーを基板に取り付けます。




ピンヘッダーにコードを半田付けします。
今回使用するピンは、1(Mic),2(GND),3(MicBias),5(OutR),9(OutL)です。




サウンドカードに基板を取り付けます。
今回は、もともとあったねじを利用しました。




サウンドカードに配線します。
背面のLineOutジャック端子に配線しました。

今回は背面のアナログジャックは使用しないので、パターンカットなどはせず、背面コネクタの未挿入時接続端子(NC端子)に接続しました。

したがって、背面ジャックにプラグを挿入すると、前面パネルへの信号は切断されます。




サウンドカードを挿入し、前面パネルオーディオケーブルを接続します。




サウンドカードに同梱されていたCD-ROMからドライバをインストールします。
再生デバイス一覧に追加されたC-Mediaデジタル出力を規定のデバイスに設定します。




PCI 3D Audio ConfigurationでS/PDIF出力を有効にします。

サウンドのテストをして、無事、光デジタル経由で音が出ることを確認しました。
前面のイヤホン端子にイヤホンを繋ぎ、音が出ることも確認しました。
マイク端子については、普段使わないので、テストはしていません。

今回は思った以上に安価に解決できて満足しています。
何より、古い機器を再活用できたことが良かったです。



■今回使用したもの

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