どうやら、沼にハマってしまったようです。
SE-U55GX。20年ほど前に買った、今では骨董品です。
当時はAMDのAthlon64 X2が流行っていて、私もそのデュアルコアCPUでマシンを組み、このDACを繋いでいました。
時代は巡り、多コアプロセッサの時代に、またAMDが元気になったのは感慨深いです。(話が逸れました。)
あれからDACチップは何世代も進化しています。
また、メーカーはこの機器のサポートを終了してしまい、USBドライバも動作せず、光デジタル入力とアナログ入力だけしか使えません。
したがって、今更、この古い機器にこだわり続ける意味はありません。
しかしながら、私の使い方に限れば、機能的には現状に不満はなく、また、現在、これと言って欲しい機器も無いので、取りあえずリフレッシュして使おうかと思った次第です。
それに、部品交換で、どれ程、音質が改善するのか、興味があるのです。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。
今回の交換作業は次の通り
- 電源回路、デジタル回路の電解コンデンサを固体電解コンデンサに交換
- アナログ回路の電解コンデンサをオーディオ用電解コンデンサに交換
- オペアンプをオーディオ用オペアンプに交換
2115 x 5、4580D x 1 ⇒ MUSES8920AE x 6 - ヘッドフォン用オペアンプを、よりスペックが高いものに交換
3414 x 1 ⇒ NJM4556AV x 1
うまく納まるのか不安です。
かなり苦労しましたが、なんとか交換できました。
しかし、ヘッドフォン用のオペアンプはSSOP8で、ピッチ0.65mmのピンにはんだ付けするのは容易ではありません。
何度もブリッジしてしまい、ランドは剥がれてしまいました。仕方なく、別基板に固定して、電線で繋ぐ羽目になりました。
ここまで引きまわしてしまうと、メーカーのアートワークも台無しです。
さて、実装の評価はさておき、試聴してみます。
音域は明らかに広がりました。
低音は豊かになり、高音は明瞭になりました。
特にベースの音の厚みと、ドラムの音のアタック感が強くなりました。
しかし、これは、多分に確証バイアスや、サンクコストバイアスやらが入っていると思われます。
確かに音質は向上しているようですが、試聴した印象ほどではないような気がします。
結局、いろいろと手を掛けて、このわずかな変化を聞き分けたこと、それが嬉しいのです。
オーディオ沼とはそういうものなのでしょう。