電子機器の故障を調べてみると、その時代の製造業の様子が垣間見えます。
最初は、画像と音が出なくなりリモコン操作だけはできていたのですが、そのうち全く通信できなくなりました。
このテレビは5年前に妻が買ってくれたもので、愛用していました。
親機は常時電源入れっぱなしでしたので、そろそろ寿命かなとも考えましたが、修理してみることにしました。
ユーザーによる修理はメーカーの保証・修理が受けられなくなる可能性があります。
現象を見ただけでは、今回の故障がどちらなのかは分かりません。
テレビの方は高温多湿の悪環境ですが使用時間が短く、一方、本体の方は常時電源を入れていたので、5年間ずっと稼働していたことになります。
故障の確率が稼働時間に比例することを考えれば、本体の方が怪しく思えます。
そこで、本体を分解してみました。
半田の状態などを見る限り、劣化しているようには見えません。
すると9V電源であるはずが、5Vから7V付近を変動しています。
明らかに電源に問題があります。
以前の無線LAN親機の故障と同様に電源アダプタの問題のようです。
今回も台湾製です。
ニチコンとパナソニックで、どちらも日本製です。
早速、テレビの電源を入れてみると、無事通信し、音声と映像が出るようになりました。
また、ミイラ状態の電源アダプタが増えました。
安い中国製品が台頭している中で、日本メーカーもコスト削減の為、海外メーカーに製造委託するようになりました。
特に電源アダプタは汎用品なので、設計・製造に立ち入ることなく仕入れているのが現状でしょう。
したがってどのような部品が使われているのか、また耐久試験はどこまでされているのかは検証できていないのではないでしょうか。
折角、日本製品は高品質だと評価されているのに、本体ではなく付属品の品質の為に製品全体のイメージが悪くなるのは勿体ない話ですね。
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