赤道儀コントローラ(Vixen SD-1)のモバイルバッテリー対応

投稿 2023/03/18 (土) 午後 03:17 | (未分類) | hotall

歳を取ると、いろいろと億劫になります。
子供の時から好きだった天体観測。近頃では天体望遠鏡も、押し入れにしまい込んだままです。




昨冬に、皆既月食と天王星食が同時に起きるということで、さすがにこれは見なくてはと、久々に望遠鏡を引っ張り出しました。

なんとか見ることはできましたが、赤道儀が動きません。
写真は流れるし、頻繁に手動で位置合わせをしなくてはなりませんでした。

これは直さねば。
と思いつつ、ずっと放置していましたが、ようやく手をつけることにしました。

調べてみると、電池の一つが劣化していただけです。

この赤道儀、単二電池が6本も必用なのです。
使用頻度が少ない私の場合、電気が枯渇する前に、電池が劣化してしまうのです。しかも1本でも劣化すると、全取り替えとなってしまいます。

最近は、移動する機器の電源には、充電できるリチウム電池が主流となり、乾電池はランニングコストが高くなってしまいました。

そこで、世の中に多く出ているモバイルバッテリーで、赤道儀を駆動することを考えたのです。

この文書は個人的なものであり、読者による改造を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。
ユーザーによる改造はメーカーの保証・修理が受けられなくなります。





さて、この赤道儀のモーターは外部のコントローラで駆動しますが、電源は9Vです。

これをモバイルバッテリーの5Vで駆動するには、DC-DCコンバータで昇圧しなくてはなりません。

コントローラを開けてみます。

メイン基板にはステッピングモータードライバIC、裏面にはロジックICが実装されています。

左側のアルミ板放熱器にはロジック回路電源用の3端子があります。
5V/1Aです。本来ならこれもスイッチング式に置き換えたいところですが、スペース的に大変そうなので止めます。

メイン基板とスイッチ基板に間に若干の空間があるので、DC-DCコンバータボードは入りそうです。

秋月電子に、ちょうどいいボードがあったので、これを使用します。

AE-LTC3111。
入力2.5V-15Vから出力2.5V-15V/1.5Aが取り出せます。

これなら、従来の電池も、モバイルバッテリーも接続できます。

ボードに半固定抵抗を取付け、入力コードを繋ぎます。

出力は接続せず、まず、出力電圧を9Vに調整します。

出力をメイン基板に接続します。

コンバータボードとスイッチ基板の半田面をカプトンテープで絶縁します。

コンバータボードをメイン基板とスイッチ基板の間に入れます。

固定はできませんが、絶縁しているので良しとします。

望遠鏡も購入から20年以上経っていますので、ついでに電解コンデンサも新しい固体電解コンデンサに交換しておきます。

さて、モバイルバッテリーを、要らなくなったUSBケーブルで作った電源ケーブルで繋ぎます。

スイッチを入れるとパイロットランプが点きました。

今度は赤道儀に繋ぎます。

ギアのゴムカバーを外し、モータの動作を確認します。
無事、動いていることが確認できました。

これで快適に観測ができそうだ。
と思いながら、押し入れにしまいました。
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