Raspberry PiでPBXとFAXの構築 - ユーティリティのセットアップ

投稿 2024/06/12 | パソコン | hotall

PBX及びFAXをセットアップするにあたり、これらの動作に必要なソフトウェアをセットアップします。




必要なソフトウェアとはファイアウォールとメール送信です。

この文書は個人的なものであり、内容について一切の責任を負いかねます。



ファイアウォールのセットアップ
RaspberryPiを直接的・間接的にインターネットに繋ぐ前に、まずファイアウォールをセットアップするのが安全です。

私の場合、ufw/iptabesとFail2Banをセットアップしました。
ufwはOS標準のパケットフィルタ"iptables"をコンフィギュレーションするフロントエンドです。
Fail2Banは認証が一定回数失敗した場合に、通信を一定時間遮断します。

ufwのインストール
sudo apt install ufw

ufwを使ってパケットフィルタをコンフィグレーション
以下のポート以外は閉じます。
  • LAN側のSSHポート
  • LAN側とひかりモデム・ルーター側のSIPポート
  • LAN側とひかりモデム・ルーター側の音声通信(RTP)ポート
  • LAN側のFAXサービスポート
  • LAN側のFAXで使用するFTPパッシブモードのポート(ユーザーポート)
ufwコマンドで定義します。
sudo ufw disable
sudo ufw reset
sudo ufw default deny
sudo ufw allow from 192.168.0.0/24 to any port 22
sudo ufw allow from 192.168.1.1 to any port 5060
sudo ufw allow from 192.168.0.0/24 to any port 5060
sudo ufw allow from 192.168.1.1 to any port 10000:20000 proto udp
sudo ufw allow from 192.168.0.0/24 to any port 10000:20000 proto udp
sudo ufw allow from 192.168.0.0/24 to any port 4559 proto tcp
sudo ufw allow from 192.168.0.0/24 to any port 1024:65535 proto tcp
sudo ufw enable
192.168.0.0はLAN側のネットワークアドレスに合わせてください。
192.168.1.1はひかりモデム・ルータのSIPサーバーアドレスです。


fail2banのインストール
sudo apt install fail2ban

fail2banのコンフィギュレーション
コンフィギュレーションファイルはテンプレートをコピーして行います。
sudo cp /etc/fail2ban/jail.conf /etc/fail2ban/jail.local

ファイルパス:/etc/fail2ban/jail.local

定義内容:
SSHログの監視:3回リトライ10分遮断

ファイル内の[sshd]セクションに以下の定義を追加します。
enabled = true
filter = sshd
banaction = iptables-multiport
bantime = 600
maxretry = 3

fail2banサービスの再起動
sudo service fail2ban restart

fail2banサービスの起動確認

sudo service fail2ban status
active (running)であれば起動しています。

fail2banサービスの自動起動登録

sudo systemctl enable fail2ban

メール送信のセットアップ
留守電やFAXの通知をメールで行うため、メール送信ソフトウェアをセットアップします。

sSMTPのインストール
sudo apt-get install -y ssmtp

sSMTPのコンフィギュレーション
ファイルパス:/etc/ssmtp/ssmtp.conf
定義内容:
root=<送信元アカウントアドレス>
mailhub=<送信に利用するSMTPサーバURL>:<ポート番号:587または465>
hostname=<自身のホスト名(FQDN):OSのセットアップで入力した値(hostnameコマンドで確認できます)>
FromLineOverride=YES
RewriteDomain=<送信に利用するSMTPサーバのドメイン(メールアドレスの@より後の部分)>
AuthUser=<アカウントユーザー名:SMTPサーバの認証に使用する値>
Authpass=<アカウントパスワード:SMTPサーバの認証に使用する値>
UseSTARTTLS=YES



■ 目次 ■
  1. 構成
  2. ひかり電話RV-230SEの設定
  3. OSのセットアップ
  4. LANアダプタの接続
  5. ▶ユーティリティのセットアップ
  6. PBXのセットアップ
  7. ソフトウェアモデムのセットアップ
  8. FAXのセットアップ
  9. 自動再起動
  10. ステータスLEDの接続
  11. ケースに収納・設置
  12. トラブルと対応

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