レーザーカッター(FABOOL-Laser Mini)でべニア板の切断とレーザーユニットの改造

投稿 2020/11/20 | デジタル工作機 | hotall

レーザーカッター(FABOOL-Laser Mini)による紙の切断に続き、4mmシナべニア板の切断に挑戦してみました。


ところが、出力、スピード、回数を色々と調整しても、一向に貫通しません。
一定の深さまで切断した後は、何度、繰り返しても、ほとんど切断が進まないのです。

この文書は個人的なものであり、読者による改造を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。



切断面をよく観察してみると、その原因の一端がわかりました。
レーザーカッターは、レーザーの熱で材料を燃やして切るのですが、その際、材料が燃えたときに発生する炭化物が、レーザー光が材料に照射されるのを妨げるのです。

この問題を解決するには、発生する炭化物を取り除かなければなりません。
そこで、切断個所にエアーを拭き付け、炭化物を吹き飛ばすことにしました。

もともとレーザーユニットには、レーザー素子を冷却するためにファンがついており、この風が結果的に切断個所に吹き付けられています。
この風を強くすれば、炭化物を吹き飛ばせるだろうと考えたのです。


レーザーユニットは筒状になっており、上部に取り付けられているファンの力で、上から下に空気が流れるようになっています。

この筒の出口を狭めれば、材料に吹き付ける風を強めることができます。

吹き出し口に付けるノズルを3Dプリンタで作ります。

まずはCADで設計します。
狭くするほど風速は高まりそうですが、狭くすれば抵抗が大きくなり、本来のファンの目的である冷却性能が落ちてしまいます。


今回は、面積を1/10程度に狭めることにします。ファンの風量が一定であれば、風速は10倍になるはずです。

ノズルの底面は光軸を中心に穴をあけ、空気がスムーズに流れるように、内側はすり鉢状にします。

3Dプリンタに出力します。

試しにユニットにはめてみました。
サイズはピッタリのようです。

加熱防止のため、反射光が当たらないように外側にアルミ箔を両面テープで貼ります。

穴の部分は、切込みを入れ、内側に折り返します。

レーザーユニットには、両面テープで固定します。

出来上がりました。

試し切りをしてみます。
以前は、ほとんど貫通しませんでしたが、なんとか貫通するようになり、改善したことが確認できました。

パラメータを変えながら、最適な条件を探ります。

結果は以下の通りです。

項目
速度700mm/min
出力100%
回数28x20回


ノズルの3Dデータ(STLファイル)をアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。

項目数量入手
ノズル1ダウンロード



■今回使用したもの
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