3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)のCPU交換(ハード)

投稿 2016/07/06 | デジタル工作機 | hotall


先日のヒーテッドベッドの修理でCPUを破損してしまったので、新たな修理が必要となってしまいました。
Huxleyの制御ボードはArduinoの派生基板でMelziと呼ばれるものです。バージョンは2です。
Melzi ver2のボードはネットで安く手に入りますが、多くはモータードライバがver1のままのA4988が実装されています。これに対し、私の購入したボードはebay経由のRepRapPro純正の純粋なver2で、モータードライバも熱トラブルの少ないA4982となっており、会社が撤退した今、手放すには惜しい製品です。
そこで、CPUのみ交換することにしました。
この文書は個人的なものであり、読者による修理を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。


まず、CPUを取り外さなければなりません。

パッケージはTQFP。狭ピッチの4辺ピン配置で表面実装になっています。
これらすべての足を同時に加熱しなければ、取り外せない、少々厄介な代物です。

ホットブローや低温はんだなど、外し方にはいくつかあるのですが、今回は以前ネットで見つけた銅線を使用する方法を試してみることにしました。


銅線を用意します。
私はホームセンターで1.2mmのものを購入しました。

CPUのすべての足と接触するように、銅線を写真のように折り曲げます。

銅線の下の面が平らになるようにハンマーで叩きます。

微調整を繰り返して、CPUのすべての足が銅線に接触するようにします。
地道な作業で、数十分を要します。

銅線に予備はんだをします。

CPUを持ち上げるために、ワイヤーを足に通します。
私はラッピング線の被覆を剥いたものを使用しました。

CPUの二辺にワイヤーを通し、その上から銅線を置き、ワイヤーを縛ります。

更に縛ったワイヤーが解けないように、はんだ付けします。

銅線とCPUの各足にはんだを盛ります。

銅線の中央部にはんだごてを押さえつけるように当て、ワイヤーをペンチでつまみます。

銅線のすべての半田が解ける必要があるので、半田ごてのこて先は大きめのものを使用し、温度は高めにします。
わたしの場合、白光FX600にT18-C3のこて先を装着し、420℃に設定しました。

こてを当てて、すべての半田が融けるまで待ちます。今回は20秒くらいで融けました。

はんだが融けたら、ペンチでつまんだワイヤーを持ち上げるように力を加えます。このとき基盤が浮き上がらないように小指で押さえます。

CPUが外れました。

外したCPUです。
足が数本取れてしまいました。
今回は、再利用しないのでこれでもOKとします。

基板の方は、半田の一部が流れ落ちていますが、思ったよりきれいな状態です。

よく見るとランドの1つがめくれあがっています。
折れないようにそっと元の状態に戻します。

古いはんだを吸い取ります。

ランドに予備はんだをします。

新しいCPUを用意します。
CPUはATMEGAの1284Pで、8bitのRISCプロセッサです。
私は秋月電子通商から購入しました。

ランドに合わせて、CPUを乗せ、2本の足をはんだで仮止めします。

すべての足をはんだ付けします。
細めのこて先で低めの温度にします。今回はこて先T18-C1で320℃としました。
余分なはんだは吸い取り線で取り除きます。

最後に念のため、隣り合う足にブリッジがないことをテスターで確認します。

これで、ハード的な作業は終わりました。

この後、ソフト的な作業が必要となります。



■今回使用したもの
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