フィラメント(ABS)の変色

投稿 2014/09/27 | デジタル工作機 | hotall




コンタクトレンズ洗浄液(メニコン プロージェント)のホルダーを作るため、久々に3Dプリンタを動かしました。
ところが、白のフィラメントを使ったのにも係わらず、造形物がクリーム色に変色しています。
フィラメント自体の色は真白なのに出力物だけが変色しているのです。

不思議なのは、出力した最初の部分は変色していません。
素人なりに原因を探ってみることにしました。



これまでは同じフィラメントを使っても変色しなかったので、フィラメントの性質にに何らかの劣化が生じたと考えられます。
プラスチックの劣化について調べてみると、酸、アルカリ、水、光、温度が影響するようです。

出力した最初の部分は、エクストルーダのパイプに入っていたので、この部分だけが上記の影響を受けなかったと考えられます。

まず、通気の良い室内に置いていたので、強い酸やアルカリに触れることはありません。
出力を続けていても変色の度合が変わらないことを見ると、光が届きにくいリールの何層も下の部分でも起きているので、光の影響でもないようです。
温度についても、室温ですので特に高温ではありません。
消去法で考えると水になります。

プラスチックは吸湿性があるので、フィラメントが湿ってしまったようです。
湿っても、出力前の状態では見た目は変わりません。
ところが、ホットエンドで溶かされるとき、フィラメントに含まれている水分が蒸気となり加水分解が一気に進んだと推測されます。

では、湿ったフィラメントを元に戻す方法はないのでしょうか。



そこで、家庭用除湿剤を使って除湿してみることににしました。
除湿剤はドライペットです。
ビニール袋にフィラメントを除湿剤を入れ、丸一日置いてみました。




出力してみましたが、効果はほとんど見られません。

他にも方法があるか調べるつもりですが、取り敢えずこれ以上湿らないように除湿剤入りの袋で保管することとし、クリーム色のフィラメントとして使用することにしました。

[追記]



フィラメントを除湿剤入りの袋で保存するようになり、1か月ほど経ちました。
出力してみると、フィラメントの変色は完全にはなくなりませんでしたが、目に見えて改善されました。
写真では分かり辛いですが、右側が除湿期間が長い方です。
時間をかければ、ある程度は家庭用除湿剤で回復できるるようです。


コンタクトレンズ洗浄液(メニコン プロージェント)のホルダーの3Dデータ(STLファイル)をアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
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