フィラメントリールスタンド(filament spool roller)の製作

投稿 2013年09月17日 | 3Dプリンタ | hotall

3Dプリンタに出力する際、フィラメントを置く場所に困ります。
実はRepRapにはフィラメントを設置する装置がないのです。




フィラメントはリールに巻かれた状態で供給されます、不用意に置くと、エクストルーダにフィラメントが取り込めず、出力が失敗してしまいます。

私は3Dプリンタ本体を組み立て後、しばらくの間、写真のように寝かせていました。

こんな置き方でも大概はフィラメントがリールからうまく解けていくのですが、場所を取りますし、何より何時フィラメントが絡まってしまうか不安で仕方がありません。
そこで、フィラメントリールスタンドを作成することにしました。

設計するにあたり、フィラメントリールを扱う上で最も注意すべき点は、このリールには規格が無いことです。
メーカーあるいは販売店によって、様々なリールが使われます。

私は最初、観覧車型のスタンドを考えていました。
ところが、このリール規格の事情があるので、頭を痛めていました。
観覧車型の場合、次の寸法のバリエーションを考慮しなくてはなりません。
・リールの径
・リールの幅
・リール穴の径
これら3つのバリエーションに対応するにはかなりの工夫が必要です。

色々思案していると、リール穴を支える観覧車型ではなく、自転車練習用のローラー台のようにリールの縁を支える方式があることに気が付きました。
これだと、リールの径や穴の径をそれ程意識する必要がなく、更にリールの幅も左右のローラー台を分離することで対応できます。





設計はAutodesk 123D Designを使用しました。

FreeCADも使ってみましたが、まだベータ版の為か、ファイルが保存できないなど、思ったように動作しません。
一方、123D Designもまだ不具合があるようで、私の環境では頻繁に落ちましたが、保存をこまめに行うことで、何とか作業を進められました。

入力後、3Dプリンター出力用にSTLファイルを作成します。




今回のスタンドは4つのローラーとそれを保持する左右のホルダーから成ります。

ローラーはベアリングを2枚のディスクで挟み、シャフトで固定します。

シャフトも既製のボルトを使用せず、3Dプリンタで出力するすることにしました。
RepRapプリンタでは長い円柱を出力するのが難しいので、シャフトを縦方向に2つに分割することで対応しています。

シャフトを固定するのに、構造が簡単なCカン使いました。
これも3Dプリンタで出力します。




ローラーのパーツを出力したら、これを組み立てます。
シャフトにディスク-ベアリング-ディスクを通し、最後にCカンで固定します。

Cカンはシャフトの切れ込みに、シャフトの重ねた方向から(上下に重ねたように見えるなら、上または下から)差し込み、重ねたシャフトを挟むように、Cカンを90度回転させます。

同じ要領で4つ組み立てます。




次にホルダを2つ出力し、ローラーをはめます。

大概は、ホルダーの両端にはめますが、径の小さなリールの場合は、位置を調整します。




後はリールを乗せるだけです。




設置後の様子です。




動画も撮ってみました。

ベアリングのお蔭で、スムーズに回転します。




使わない時は、このようにコンパクトに格納できます。

下表は今回設計・使用した部品の一覧です。
3Dデータ(STLファイル)もアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
項目数量入手
ローラーディスク8ダウンロード
ローラーシャフト8
ローラーCカン4
ホルダー2
ベアリング
・外径:19mm
・内径:6mm
・幅:6mm
4別途購入



■今回使用したもの


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コメント

投稿 sensen | 2014年04月01日 | 21時40分56秒

当方PRN3Dを組み立ててまだ1週間で、
フィラメントの置き場に困っておりました。
早速作成して便利に使わせていただいております。
ありがとうございました
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投稿 hotall | 2014年04月02日 | 08時54分46秒

ご投稿ありがとうございます。
お役に立てて良かったです。
何もないところから物が出来上がる様は、
見ているだけで楽しいですね。
3Dプリンタが話題になることは多くなりましたが、
まだまだ手にしている人は少ないので、
ユーザーがもっと増えて、この楽しさが共通できれば良いですね。
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投稿 Naoki | 2014年05月09日 | 16時40分42秒

UP! Plus2というプリンターを使用しております。
サードパティー製の大きめのフィラメントをどのように安定供給するかで困っておりましたが、このページに出会えて解決いたしました。
ベアリングのリンクも含め、大変便利なものを公開して頂きありがとうございます!
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投稿 hotall | 2014年05月10日 | 10時14分19秒

コメント頂きありがとうございます。
3Dプリンタの良いところは、個人が作った作品をネットを通じて再現できることです。
互いのモノ作り体験を共有できる世の中になれば、DIYの世界も、より楽しく広がりますね。
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投稿 wcinp | 2014年09月23日 | 12時50分42秒

 フィラメントホルダを探していたところ、こちらの製作記事にあるものが最も私の用途に適していましたので使わせて頂いています。ありがとうございます。
 私の用途ではフィラメントは常設では無いため、ホルダの幅を固定する追加部品を作ってみました。
 コメントにURLが入るか不明ですが、下記のブログで記載しました。
 http://piclabo.blog.so-net.ne.jp/archive/c2305163360-1
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投稿 hotall | 2014年09月23日 | 13時05分07秒

コメントありがとうございます。
幅を固定するアイデアいいですね。
これからもよろしくお願いします。
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投稿 m0a | 2014年12月27日 | 14時02分39秒

フィラメント台で検索したら最初に出たのでお邪魔しました。
必要な部品もアマゾンで手に入れられるようにリンクも記載していただき、使い勝手も良さそうですね。早速作らせていただこうかと思います。ありがとうございました。
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投稿 hotall | 2014年12月27日 | 15時11分53秒

コメントありがとうございます。
アップしましたSTLファイルは私のプリンタに合わせて調整しておりますので、異なるプリンタや設定で出力した際、当方での出力結果と異なり、若干の調整が必要になるかもしれません。その場合、123D Designなどで調整してみてください。
これからもよろしくお願いします。
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投稿 meta | 2015年05月07日 | 20時57分03秒

社内で利用している3Dプリンタのフィラメント固定台が横向きで、時折変なふうにフィラメントがはずれてしまって困っていました。
自作のスタンドを探していたところ、このサイトに辿り着きました。非常に使い勝手が良さそうなので、早速利用させてもらおうかと思います。ファイル提供、感謝ですm(__)m
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投稿 hotall | 2015年05月08日 | 23時18分41秒

コメントありがとうございます。
私自身も、リールを色々探したのですが、組立が大変だったり、使っているフィラメントのリールに合わなかったりと、自作したいものがなかなか見つかりませんでした。
結局、自分で設計することにしました。

まだまだ、改善の余地があると思います。
アイデアをすぐに形にできるのが、3Dプリンタのいいところでもありますので、ご自身の使いやすいものに、進化させていただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
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投稿 panda | 2015年09月16日 | 14時59分40秒

M3Dのthe micro で規格外フィラメントを利用するのにスタンドが必要だったので助かりました。
the microは10cmx3サイズしか制作できなかったので、5個あるローラー置き場を一つ減らし4つのホルダーをSTLファイルより編集し
Cリングが少し大きかったので縦横0.85%に縮小し、厚さは1.1%に拡大して作りました。
ありがとうございました。
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投稿 hotall | 2015年09月17日 | 16時24分42秒

コメントありがとうございます。
パーソナルユースの3Dプリンターでは、まだまだ精度が出ないので、CADで理論上の設計をしても、積層ピッチやノズル径などにより、計算通りにはなかなか出力でないのが実情です。
かつては精度を上げるために調整を繰り返した時期もありましたが、最近では、諦めてカットアンドトライででデータを調整するようになりました。
この問題が解決するまで、本当の意味での造形の共有は難しいかもしれませんね。
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投稿 tibia | 2016年03月12日 | 18時52分08秒

ディアゴスティーニのidbox!で3Dプリンター遊佐ー徒なりました。さっそく作らせていただきましたが、スムーズな動きで感動しました。有り難うございました。
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投稿 hotall | 2016年03月13日 | 10時37分16秒

コメントありがとうございます。
昨年話題になった付録付き雑誌の3Dプリンタ。完成されたのですね。おめでとうございます。
これからも、3Dデータをアップしていきたいと思いますので、ご興味がありましたら、出力してみてください。
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投稿 にせモン | 2016年03月26日 | 16時22分17秒

私もデアゴ様の「マイ3Dプリンター」を使用しております。
今後の「デュアルノズル」へのアップグレードを夢見て、フィラメントを地に置くようにしたかったので使わせていただきます!
他の記事も読ませていただきますね♪
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投稿 hotall | 2016年03月28日 | 14時49分25秒

コメントありがとうございます。
先日、マイ3Dプリンターの全巻刊行完了がニュースになりました。国内で約2万3000台分が出荷されたことに驚かされました。
マイ3Dプリンターが個人向け3Dプリンターの一大勢力になるのかもしれませんね。
兎にも角にも3Dプリンターユーザーの仲間が増えることは嬉しい限りです。
今後ともよろしくお願いいたします。
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投稿 miru | 2016年04月14日 | 22時22分52秒

始めまして
UP BOXで社外品のフィラメントを使いたく使わさせて頂きました。ありがとうございました。
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投稿 hotall | 2016年04月18日 | 10時47分28秒

コメントありがとうございます。
このブログもいろんな機種のユーザー様からコメントを頂き、今ではネットでその詳細を調べるのも楽しみの一つとなっています。UP BOXについても調べさせていただきました。
前機種UP Plus2は米国で人気の製品だったそうで、UP BOXはさらに密閉筐体の高性能な3Dプリンターなんですね。
3Dプリンターもどんどん進化していくようです。
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投稿 はにぃぼっくす | 2016年05月02日 | 00時52分04秒

はじめまして。
以前こちらで拝見し、コンパクトに仕舞える機構に脱帽しました。
訳あって違うサイズのベアリングを買ってしまったため、データはダウンロードできませんでしたが、アイデアを真似させていただき作成しました。
UP Plus2 の純正ではないフィラメントを使用する際に活用しています。
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投稿 hotall | 2016年05月02日 | 10時14分45秒

コメントありがとうございます。
フィラメントは色々な特性のもの、廉価なものから高価なものまで自由に選択できるのが良いのですが、リールの仕様が統一されていないのが困りますね。はやくこの問題が解決されればいいのですが。
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投稿 株式会社明成化学 青木 | 2017年07月13日 | 14時43分40秒

はじめまして。
大変便利に使わさせていただいています。
ありがとうございます。

さて、ご相談させていただきたいのですが、弊社はフィラメントの製造・販売を行っており、もしご許可いただけるようでしたら、このリールスタンドを弊社のホームページで紹介したいと思うのですが、いかがでしょうか?
<弊社ホームページ>
http://www.meisei-kagaku.co...

金銭はお支払いできませんが、貴殿のご芳名や著作権の表示などが必要でしたら記載いたします。

よろしくお願いいたします。
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投稿 hotall | 2017年07月13日 | 15時48分30秒

コメントありがとうございます。

3Dプリンタ関連業界の方にご興味をお持ちいただけて幸いです。
当ブログをご紹介いただけるななら、喜んでお願いいたします。
特別な制約はございませんが、通常のブログの慣例に従い、引用はその範囲を明確にしていただいた上、引用元の記事へのリンクをお願いいたします。
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