無線LAN親機(Aterm WR7850S)の修理
今やインターネットは電気や水道のように、必須のインフラです。使えなくなると、生活に支障をきたします。
ところが、いざ障害が出ると、たいがいの場合、プロバイダは助けにならず、自身で解決しなくてはなりません。
私が妻からのメールに返信をしようとした時、使っていたタブレットが突然通信しなくなり、作成したメールが送れなくなりました。
メールを早く送信しなくてはという焦りもあり、これは、困ったことになったと一瞬パニックになりましたが、気を取り直して一つずつ調べることにしました。
タブレットの接続設定のやり直しから始め、無線LANの親機、ルーター、モデムと順に調べていきます。
タブレットの再接続は何度やってもダメです。
次に無線LANの親機を見てみると、すべてのステータスランプがひよひよとオレンジ色に瞬いて、見るからに異常です。
リセットや電源抜き差しでも直らず、いよいよ壊れたかなと買い替えも考えましたが、ダメもとで修理してみることにしました。
ユーザーによる改造はメーカーの保証・修理が受けられなくなります。
まずは、電源アダプタの出力を調べてみます。
定格通り出ているようです。
本体を開けてみます。
ケースは特殊ねじで止められていましたが、トルクスドライバーで開けることができました。
中身です。ほとんどがICやハイブリッド部品などの集積回路で、部品点数自体は少ないです。これらが壊れると入手が困難ですので、このような機器はユーザーが修理する余地は少ないです。
とりあえず、電源電圧をチェックしてみました。
電圧が出ていません。
電源アダプタが弱っていて、負荷をかけると電圧が下がるようです。
電源アダプタを分解します。
最近の電源アダプタはねじ止めではなく接着材でカバーが閉じられているので、分解できません。
つまり、電源アダプタは消耗品ということです。
中を開けるには、ケースを壊す以外ありません。
まず、内部の部品を傷つけないように注意しながら、ケースの合わせ目をけがきカッターで削っていきます。
切れ目ができたらドライバーでこじ開けます。
電解コンデンサーのひとつがぷっくりと膨らんでいるのがわかります。
内部で破裂しています。
壊れた部品を取り外します。
台湾製です。一時期マザーボードなどで問題になりましたが、やはり台湾製の電解コンデンサーは弱いのでしょうか。
たまたま手元に同じ容量の電解コンデンサーがありました。
日本製(パナソニック)です。
付け替えました。
再度、本体につなぎ、電圧をチェックします。
規定の電圧が出ているようです。
電源アダプタのケースは切り離してしまいましたので、テープでぐるぐる巻きにします。
本体も組み立て、接続し、無事通信することを確認しました。
送信できずにいたメールは送ることができるようになりましたが、その前にしびれを切らした妻から電話がかかってきてしまいました。