レーザーカッター(FABOOL-Laser Mini)ケースの作成

投稿 月 11/23 13:18:57 2020 | デジタル工作機 | hotall

レーザーカッターでテーブルを焼いてしまった件で、うっかり者の私にはケースが必要だと気づきました。
勿論、メーカーでもケースは購入できるのですが、今回は自分で作ることにしました。


この文書は個人的なものであり、内容について一切の責任を負いかねます。



材質は、安価、軽量、加工のしやすさから、木材にします。
角材とべニア板をホームセンターでカットしてもらい、スイッチやブロアなどはネットで購入しました。
ブロアやスイッチの穴など、べニア板の細かな加工は、レーザーカッターで切り抜きます。


骨格となる角材とべニア版を木工ボンドで接着します。

ゴム足を付ける穴をドリルで開け、鬼目ナットを埋め込みます。

ブロアパネル取付用の鬼目ナットを埋め込みます。

各面を木工ボンドで接着・組み立てます。

天板は、ヒンジで開閉できるようにし、ソフトダウンステーで、ゆっくりと閉じるようにします。

本体は3Dプリンタで作成したL字部品で、4か所を骨格である角材に固定します。
角材側には鬼目ナットを埋め込みます。
本体側は、その4つの足にネジ穴があったので、これを使用しました。

配線は固定端子台で行います。

ACアダプタは箱の内部に3Dプリンタで作成した部品で取り付けます。

発火対策として、天板をアルミ板でカバーし温度ヒューズを取り付けます。

パイロットランプ(LED)付きのスイッチを取り付けます。
ACアダプタのACケーブルを切断し、その間をスイッチで繋ぎます。
LED用の12V電源は、制御基板から取りました。

天板が空いている時は、レーザーが出力されないようにします。
もともとレーザーカッターの足についている安全スイッチと並列に、天板が閉じていることを検出するスイッチを取り付けます。

ブロアを取り付け、煙や臭いを排出できるようにします。

空気の取り入れ口として、底板の奥行きを少し短くし、前面側に隙間を作ります。

排出にはフレキシブルパイプを使い、ブロアに取り付けるためのアダプタを3Dプリンタで作成しました。
取付穴の位置を間違ってしまったのですが、出力するのも面倒なので、今回はドリルで開け直しました。

ブロアにフレキシブルパイプを取り付けます。

出来上がりました。

開いたところです。
天板を少し下げると、ゆっくりと閉じていきます。

内部の様子です。
今回は組み立てに、木工ボンドを使用したので、接着時間が必要で、組上がりに1週間、更にソフトダウンステーメーカーとのやり取りで1カ月以上と、思ったより時間を要しましたが、我ながら上出来で、満足しました。
これで、レーザーカッターが安心して利用できる環境が整いました。



下表は今回設計・使用した部品の一覧です。
3Dデータ(STLファイル)もアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
項目数量入手
ブロアホースアダプタ1ダウンロード
ホース固定具1
本体固定具(1-4)1
ACアダプタ固定具1
シナベニヤ板(4mm)適宜ホームセンター
ラワン角材(14mm)適宜
フレキシブルホース(100mm)適宜ネット
ソフトダウンステー右用1
鬼目ナット(3mm)適宜
温度ヒューズ(109℃)1
押しボタンスイッチ(LED12v)1
ゴム足(16mm)4
端子台(6P/5mmピッチ)1

レーザーカッター(FABOOL-Laser Mini)でべニア板の切断とレーザーユニットの改造

投稿 金 11/20 12:27:47 2020 | デジタル工作機 | hotall

レーザーカッター(FABOOL-Laser Mini)による紙の切断に続き、4mmシナべニア板の切断に挑戦してみました。


ところが、出力、スピード、回数を色々と調整しても、一向に貫通しません。
一定の深さまで切断した後は、何度、繰り返しても、ほとんど切断が進まないのです。

この文書は個人的なものであり、読者による改造を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。



切断面をよく観察してみると、その原因の一端がわかりました。
レーザーカッターは、レーザーの熱で材料を燃やして切るのですが、その際、材料が燃えたときに発生する炭化物が、レーザー光が材料に照射されるのを妨げるのです。

この問題を解決するには、発生する炭化物を取り除かなければなりません。
そこで、切断個所にエアーを拭き付け、炭化物を吹き飛ばすことにしました。

もともとレーザーユニットには、レーザー素子を冷却するためにファンがついており、この風が結果的に切断個所に吹き付けられています。
この風を強くすれば、炭化物を吹き飛ばせるだろうと考えたのです。


レーザーユニットは筒状になっており、上部に取り付けられているファンの力で、上から下に空気が流れるようになっています。

この筒の出口を狭めれば、材料に吹き付ける風を強めることができます。

吹き出し口に付けるノズルを3Dプリンタで作ります。

まずはCADで設計します。
狭くするほど風速は高まりそうですが、狭くすれば抵抗が大きくなり、本来のファンの目的である冷却性能が落ちてしまいます。


今回は、面積を1/10程度に狭めることにします。ファンの風量が一定であれば、風速は10倍になるはずです。

ノズルの底面は光軸を中心に穴をあけ、空気がスムーズに流れるように、内側はすり鉢状にします。

3Dプリンタに出力します。

試しにユニットにはめてみました。
サイズはピッタリのようです。

加熱防止のため、反射光が当たらないように外側にアルミ箔を両面テープで貼ります。

穴の部分は、切込みを入れ、内側に折り返します。

レーザーユニットには、両面テープで固定します。

出来上がりました。

試し切りをしてみます。
以前は、ほとんど貫通しませんでしたが、なんとか貫通するようになり、改善したことが確認できました。

パラメータを変えながら、最適な条件を探ります。

結果は以下の通りです。

項目
速度700mm/min
出力100%
回数28x20回


ノズルの3Dデータ(STLファイル)をアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。

項目数量入手
ノズル1ダウンロード

レーザーカッター(FABOOL-Laser Mini)の購入

投稿 月 11/16 13:33:42 2020 | デジタル工作機 | hotall

3Dプリンターの便利さに味を占めて、次なるデジタル工作機が欲しくなりました。
それはレーザーカッターです。

立体物を作るには、粘土やガラス細工のように柔らかい材料から直接、形を造る方法と、木工や金属加工のように固い材料を切削する方法があります。

どちらの方法が良いかは、材料や造形などの製造条件やコストにより異なります。
3Dプリンタは前者、レーザーカッターは後者の方法となります。



3Dプリンタが直接的で自由な造形方法に対し、レーザーカッターは切断することにより造形する機械です。

3Dプリンタは比較的自由に造形ができる反面、精度や積層痕など仕上がりの問題があり、また、材料にも制約もあります。

これに対し、レーザーカッターは、比較的薄い平板しか加工できない制約はありますが、もともとの材料が表面の仕上がりが綺麗であることや、木材など、3Dプリンタでは使えない材料も加工できること、また、その加工精度も安定して得られるのが魅力です。

レーザーカッターの購入を検討するにあたり、当初は透明アクリル板をカットできる。大出力の炭酸レーザーが欲しかったのですが、値段もさることながら、その大きさと重さが、あまりに大掛かりであったため、今回は、半導体レーザーで我慢することにしました。

購入先は安い中国メーカーか、国内メーカーか悩みましたが、交換部品の入手継続性が期待できそうな国内メーカーにしました。
購入したものはSMART DIY'sのFABOOL-Laser Mini(3.5W)です。



ネットで注文すると、早々に段ボール箱が届きました。

この製品はキットですので、自分で組み立てなければなりません。
とは言っても、RepRapの組み立てに3週間かかったことに比べれば、家具の組み立てレベルで、1日で完成しました。

レーザーユニットにコルゲートチューブをタイラップで固定するのですが、ここがグラグラしていたので、固定用の部材を3Dプリンタで作成しました。

早速、コピー用紙をカットしてみます。
焦げた臭いの中、青い光を放ち、カットされていきます。

無事にカットできました。

次に、ケント紙のカットに挑戦しましたが、窓からの風に煽られ、紙がヘッドに被さり、本体がずれてしまいました。
その結果、テーブルを焼いてしまいました。

安全面からも、やはりケースが欲しいですね。



コルゲートチューブ固定用部材の3Dデータ(STLファイル)をアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
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固定用部材1ダウンロード

電源取り出し平型ヒューズの自作

投稿 日 11/25 16:16:17 2018 | 自動車 | hotall

あおり運転の問題で、ドライブレコーダーが注目されています。
そんな折、家族の車にドライブレコーダを取り付けることになりました。

ドライブレコーダー(COMTEC ZDR-015)は今流行の前後カメラで駐車録画機能付きのものです。

さて、配線はなるべく目立たないようにするため、電源もヒューズボックスからとることにします。
自分の車なら、直接、既存のコードから取るのですが、原状回復を容易にすることを考えて、ヒューズからとることにしました。

電源を取り出せるヒューズは市販されているのですが、今回取り付ける車(Audi A1)は、ヒューズを固定するカバーがあり、ヒューズの端から出ているコードと干渉してしまいます。

そこで、カバーと干渉しない電源取り出しヒューズを自作することにしたのです。


この文書は個人的なものであり、読者による改造を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。
ユーザーによる改造はメーカーの保証・修理が受けられなくなります。





作成するヒューズはアクセサリ電源(平型20A)と常時通電電源(ミニ平型10A)の二つです。
ホームセンターでそれぞれのヒューズ(エーモン)を購入しました。

まずケースを取り外します。
端子の間をマイナスの精密ドライバを使って開きます。



各端子とケースは2か所で圧着されています。
これをマイナスドライバーを突っ込み剥がします。
また、端子を抜きやすくするため、端子とケースの間を広げます。
これを丁寧に行わないと、以降の作業に苦労します。



両方の端子をペンチでつまみ、端子の間隔を維持しながら、ゆっくりと引き抜きます。
固い場合は、再度、端子とケースの間を広げます。
この作業は辛抱強く行います。



分離出来たら、ケースにコードを通す穴をあけます。




端子とコードははんだ付けしますが、接合個所は厚くなるので、ケースのその部分が当たる部分を削っておきます。
念入りに削るのが成功の秘訣です。



端子とコードをはんだ付けします。
厚くなりすぎた場合は、その部分を削っておきます。



ケースに収めます。
2つの端子の間隔を保ちながら、ゆっくりと押し込んでいきます。



軟質プラスチック用ボンドで、端子の根本及びコードとケースを固定します。



配線を容易にするため、ギボシ端子を付けました。
また、コードの根本はヒシチューブで補強しています。

ヒューズ本体自体は軟質のアルミなので折れやすく、作業は慎重さが必要で、失敗を覚悟する必要があります。私の場合、歩留まり半分でした。
ドライブレコーダーの配線は、ヒューズカバーと干渉することなく、うまくいきました。

3D年賀状(2018)

投稿 水 4/ 4 11:51:58 2018 | デジタル工作機 | hotall

我が家の年賀状は、3Dプリンタで作るのが、すっかり定例化しました。
今年も12月に入り、戌年をテーマに組み立て式の造形物を、あれこれ考えていました。
昨年の鳥のクリップでばねを作ることができることがわかり、今回もこれを利用したものを考えます。




犬について思いを巡らしていると、犬が新聞をくわえ、飼い主の前でちょこんと座り、差し出すシーンが思い浮かびました。
そこで、メモをくわえる犬のメモスタンドを作ることにしたのです。
はがきサイズに収める制約から、平板の部品で構成しなけれならないのですが、平板から立体を表現するのは大変です。特に今回は、ばねを組み込まなければならず、強度を保ちつつ、クリップ構造を実現するのに悩みました。

の時は、箱型にしましたが、これでは強度が保てません。
そこで、厚めの板を重ねる方法にしました。

クリップにはレバーが必要ですが、これを足にします。
左右の足を引くと口が開く仕組みです。

積み重ねた板は、ピンとCカンで固定します。

あとは柴犬をモデルにフォルムを作成し、立体を起こします。

3Dプリンタで出力します。

今回は部品が細かいので、ブリムが必要です。

次々、組み立てます。
分解して、パッケージに貼り付け、梱包します。



下表は今回設計・使用した部品の一覧です。
3Dデータ(STLファイル)もアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
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3D部品7ダウンロード
パッケージ印刷1ダウンロード
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