3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-本体調整

投稿 金 8/30 12:08:45 2013 | デジタル工作機 | hotall

現段階で一応出力ができるようになりましたが、その出力結果は決して満足できるものではありません。
3Dプリンターの組立に於いて、調整作業が本当の山場と云われるように、この作業の如何でプリンタの性能が決まります。

しかし、この作業は終わりがなく忍耐が必要です。
時には、調整する前より精度が悪くなくこともあります。
それでも、上手く行けば、市販の完成品に劣らない性能を発揮することができるのも事実です。

調整作業には、本体の機構面での調整と、制御データ(G-code)生成面での調整があります。
今回は機構面での調整を行います。
この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。



調整の前に、ヒーテッドベッドにカプトンテープを貼ります。
それは、出力途中で製品がヒーテッドベッドから剥がれたことがあったからです。
公式マニュアルでは、このような場合、カプトンテープを張ると改善するとありましたので、これを実施します。



テープを張る前に、ヒーテッドベッドの表面の油分を取り除きます。私はアルコールでふき取りました。




端から順番に貼っていきます。




表面を拭いて、中の空気を押し出します。




次のテープを前のテープと少し重なるように貼っていきます。




端の余分なテープを切り取って完了です。

確かに製品がピッタリとベッドに吸い付くようになりました。
カプトンテープの効果は高いようです。


既に前回までに次の調整を行いましたが、再度これらの点検します。

これらの他に、以下の位置決め機構のスケール調整を行う必要があります。





位置決め機構の調整を行います。
まずはZ軸です。
ツールからコマンドでZ軸を0mm位置に移動します。
G1 Z0 F200

フレームの上部に定規を貼り付けます。





フレームの上部に定規の0点が昇降台の上部に合うように貼り直すか、コマンドでZ軸を移動します。




ツールからコマンドでZ軸を現在の位置から上へ30mm移動します。
G1 Z30 F200 (現在位置が0の場合)

今回は指定通り移動したようです。
Z軸は長ネジ方式なので、このネジの精度と同じになります。ネジの精度は高いので調整することはあまりないでしょう。




次はX軸を調整します。
ツールからコマンドでX軸をベッドの端の当たりに移動します。
G1 X5 F400
ヒーテッドベッドに定規を乗せ、ホットエンドの台座に先を黒く塗った爪楊枝を貼り付け、定規の直ぐ上を指すようにします。




ツールからコマンドでX軸を現在に位置から上へ130mm移動します。
G1 X135 F400
今回も指定通り移動したので、調整は不要でした。




Y軸もX軸と同様に調整します。
ツールからコマンドでY軸をベッドの端の当たりに移動します。
G1 Y35 F400
爪楊枝の先に定規を移動します。




ツールからコマンドでX軸を現在に位置から上へ90mm移動します。
G1 Y125 F400
今回は指定した位置より短くなっていたので、ファームウェアのパラメータを調整します。
エクストルーダの調整と同様にM92のYパラメータを修正します。
修正値=現在の値 * 90mm / 測定した長さ(mm)
コマンドでこの修正値を設定し、EEPROMに保存します。
M92 Y<修正値>
M500




すべての調整が終われば、ネジロックで固定します。
特に以後調整が不要な部分と、振動が大きい部分を固定します。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-ソフトウェア

投稿 月 8/26 12:23:17 2013 | デジタル工作機 | hotall

3Dプリンタのソフトウェアには制御基板上のファームウェアとパソコン上のツールプログラム郡があります。

制御基板のファームウェアは、G-codeと呼ばれるコマンドを解釈し、ハードウェアを制御します。一方、ツールプログラムはユーザーインターフェースからオペレータが入力した指示をG-codeにして制御基板に送ります。また、3次元形状データをG-codeに変換するスライサと呼ばれるプログラムも含まれ、このG-codeの集まりをファイルとして制御基板に送り、造形を行います。

ファームウェアはキットとして送られた制御基板上に既にインストールされており、取り敢えずこれを使用するすることができます。

ツールプログラム郡はRepRapProのサイトからダウンロードし、パソコンにインストールします。
プログラムはPythonで記述されていますが、コンパイル済のものがあるので、一つのパッケージをインストールするだけで、使用可能となります。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。


インストールは簡単です、ダウンロードしたファイルを解凍して、適当なフォルダーに入れるだけです。

本体に通電する前に、配線のチェックをします。
目視チェックを行い、できればテスター等で導通チェックをします。更に、電源ラインの+-間がショートしていないか、テスターで調べます。





まずは本体の電源を入れずに、制御基板との接続をチェックをします。

制御基板のジャンパを変更して、USB給電にします。

3DプリンタのUSBケーブルをWindowsが起動しているパソコンに接続します。
すると、OSがこれを認識して、Microsoftのサイトからデバイスドライバが自動的にインストールされます。




一旦、USBケーブルを抜き、制御基板のジャンパを元に戻して、セルフ給電にします。




制御基板の右側のジャンパを外し、毎回起動時に設定をリセットされないようにします。




いよいよ火入れです。
一番、緊張する瞬間です。
ヒーターやモーターなど、比較的電力の大きな部分もあるので、発火の心配もあります。
異変があった時、直ぐに電源を切る心構えをして、電源コネクタを差し込みます。
煙や匂いがないことを確認したら、制御基板上の大きなチップを触り、異常な発熱がないことを確認します。
特に、モータードライバICは高電圧、電流ががかかるので、チェックします。




パソコンとの接続です。
USBケーブルをパソコンに差します。




パソコンと3Dプリンタはシリアルポート経由で通信します。
デバイスマネージャで3Dプリンタにつながっているシリアルポート番号を調べます。
ポートの名前は「USB Serial Port」です。
私の場合はCOM3でした。




解凍したフォルダに名前がpronterface.exeの実行ファイルがあるので、これを実行すればツールは起動します。
画面構成は、左側にグラフィカルな操作領域、中央が現在ロードされている3D形状、その下が主要なコマンド、右側にログ表示領域、その下がコマンド入力領域となります。




起動したら、ポート番号を指定して、Connectボタンを押します。
正常に接続されると、右側のログ画面に「Printer is now online」と表示されます。




コマンド入力欄にM502を入力後、送信して、設定を初期化します。




「M500」を送信して、設定内容をEEPROMに保存します。
設定値はEEPROMに保存することで、電源を切っても次回起動時に保存した値が復帰します。
したがって、使い続けたい設定値を変更した場合は、このコマンドを送るようにします。




現在の設定値の内容は「M503」を送信することで確認できます。




マイクロスイッチの入力チェックを行います。
次のコマンドで各マイクロスイッチの状態を確認できます。
M119
マイクロスイッチのレバーを手でON/OFFして、状態が変化することを確認します。
スイッチは正論理になっているので、ONがH,OFFがLになります。




ヒーテッドベッドの温度制御をチェックします。
ツール画面左の[Check temp]を押すと、現在の温度が下に表示されます。この温度が室温に近いことを確認します。
次にツール画面左下のBed欄に室温より少し高い温度を入力し、Setボタンを押します。
[Check temp]を押して、温度の推移を観察し、設定温度になることを確認します。




今度はノズルの温度制御をチェックします。
ツール画面左の[Check temp]を押すと、現在の温度が下に表示されます。この温度が室温に近いことを確認します。
次にツール画面左下のHeat欄に室温より少し高い温度を入力し、Setボタンを押します。
[Check temp]を押して、温度の推移を観察し、設定温度になることを確認します。




これから、ステッピングモーターの動作チェックを行います。
次のコマンドで各ステッピングモータを動かせます。
G1 {X|Y|Z|E}<座標(mm) F<移動速度(mm/min)>
例えば「G1 X0 F500」だとX座標0mmに速度500mm/minで移動します。
各座標が指定通りに移動することを確認します。

私の場合、Y軸座標0mmを指定すると、ベッドが端に来てもステッピングモーターが止まりませんでした。




調べてみると、Y軸のマイクロスイッチが逆に取り付けていました。




マイクロスイッチを正しい方向に取り付けると、今度はスイッチレバーがスライドポールに干渉してしまいます。




スイッチレバーを短くカットしました。




これでスイッチレバーが干渉しなくなり、正常にマイクロスイッチが働くようになりました。




ヒーテッドベッドを水平に調整します。
ベッドの高さは3つのネジで調整します。
まず、高さが一定のものを用意します。私は厚めの定規を使いました。
Z軸移動コマンドを使ってノズルをベッドに触れない高さに上昇させ、X軸、Y軸移動コマンドでノズルをいずれかの調節ネジの付近に移動します。
コマンドを使って、ベッドとノズルの間に定規がぴったりと挟まるようにZ軸を調整します。




定規を外し、X軸、Y軸移動コマンドで次のネジの付近に移動します。
再び定規をベッドとノズルの間に挟んでみて、ぴったりと収まるように、ネジを調整します。
この操作を残りのネジについても行い、これを何回か繰り返すます。
最後に、ベッドのどの位置でもノズルとの距離が一定になることを確認します。





高さ(Z軸)0点を調整します。
HOMEボタン使って、高さ0mmに移動します。
ノズルがベッドの高さになるようにZ軸マイクロスイッチの取り付け位置を調整して、再度HOMEボタンで位置を確認します。
これを繰り返します。




フィラメントの送出量を調整します。
まず、E軸移動コマンドで0mmの位置に移動します。
「G1 E0 F50」
フィラメントの接続ケーブルを外し、フィラメントの先頭が出口の面に合うように手動で調整します。




次にE軸移動コマンドでフィラメントを100mm送ります。
実際に送られた長さを計測し、現在のstep/mmの値から修正値を計算します。(現在の設定値はM503で表示された一覧の中の「M92 Exx」の値を読み取ります。)
修正値=現在の値 * 100mm / 測定した長さ(mm)
コマンドでこの修正値を設定し、EEPROMに保存します
「M92 E<修正値>」
「M500」




これで、細かな調整を除けば、出力できるようになりました。
フィラメントをエクストルーダに入れます。
モーターに給電されている状態だと、手動で動かせなくなるので、ツール画面の左上のMotors offボタンを押して、給電を止めます。
フィラメントをエクストルーダに差し込んだ後、手動でギアを回してフィラメントがノズルの先端になるようにします。





それではテスト出力します。
出力する3D形状データを用意します。RepRapPro自身の部品はサイトのリンクから取得できます。
私はプーリー(pulley-2off.stl)を使いました。
次にこのデータをG-codeに変換する必要があります。
ツールにはslic3rというスライサソフトが同梱されています。
ツール画面の[Settings]-[Slicing Settings]で起動できます。
初回起動時に初期設定用のWizardが表示されるので、これを設定します。
設定値は次の通りです。
G-code flavor: RepRam(Marlin/Sprinter)
Bed size: x:140 y:140
Nozzle diameter: 0.5mm
Diameter: 1.75mm
Extrusion Temp: 200℃
Bed Temp: 67℃
しかし、私は材料をABSと勘違いして間違った温度を設定してしまい、出力結果が悲惨なものとなってしまいました。




Slic3rの画面構成はPlaterと3つのSettingのタブから成るます。
Platerタブは3Dプリンタのベッド上に3D形状を配置したり、方向や大きさの変更を行い、データ変換を行う画面です。残りのSettingsタブはG-Codeを生成する際のパラメータを設定する画面です。
まず、3D形状ファイルをPlater画面左の配置領域にドラッグ&ドロップします。
次に画面右のExport G-codeでG-codeファイルを出力します。




ツール画面に戻って、
①[Load file]ボタンを押して、作成したG-codeファイルを読み込みます。
②[SD]-[SD Upload]で3Dプリンタ上のSDカードにアップロードします。
③[SD]-[SD Print]で出力します。




私の場合の出力結果です。
プーリーとは似ても似つかない姿になってしまいました。
最初の出力としては、幸先の悪い結果となってしまいました。

原因は私が材料をABSと勘違いし、温度設定を間違えた為でした。

そこで、Slic3rのWizardの入力をやり直そうとしたのですが、一度設定すると、画面操作でWizardを表示する術はないようです。
試行錯誤で調べてみるとツールのバイナリファイルが入っているフォルダの一つ上にprofilesというフォルダがあり、slic3rの設定内容はここに保存されるようです。このフォルダを削除することで、再びWizardを表示させることができました。

次回は調整作業を行います。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-配線

投稿 金 8/23 10:08:28 2013 | デジタル工作機 | hotall

メカの組立は完了しました。後は、電装すればハードウェアは完成です。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






制御基板を取り付けます。




電源コネクタにコードを付けます。コードはヒーテッドベッドと制御基板用の2系統です。




フレームに電源コネクタを取り付けます。




マイクロスイッチにコードを半田付けします。
コードはステッピングモーターの余ったものを使用します。




ステッピングモータのコードを適当な長さにして、端を半田メッキします。
半田メッキした部分としない部分の境が弱くなるので、被覆を剥いた後、半田メッキをするの前に少し爪で被覆を捲り上げ、半田メッキ後、被覆を爪で扱いて元に戻します。
そうすると半田メッキの境目が被覆の中に入るので折れにくくなります。




マイクロスイッチのコードも半田メッキします。
こちらはヒシチューブで保護してみました。




ヒーテッドベッドの制御線を作成します。
フラットケーブルにコネクタを付けます。
このコネクタは半田付け不要でコードを押し込むだけで結線されます。




ヒーテッドベッドの電源コードを配線します。




ヒーテッドベッドに先ほど作成した制御コードを差し込みます。
すると、コネクタと台座が干渉してしまいました。

後でわかるのですが、ベッドはフレームとの干渉もあるので、結構高い位置に調整することになり、結果的にコネクタの干渉はなくなります。




コネクタと台座との干渉を解決するために、付属のコネクタの代わりに余っていた圧着端子を使うことにしました。




圧着端子にヒシチューブを被せ、L字に折り曲げます。




干渉はなくなりました。




フラットケーブルなど導線が細いものは制御基板のコネクタに固定しにくいので、太めのピンを端子として半田付けしました。私はピンコネクタを分解してこれを使用しました。




X軸とZ軸のマイクロスイッチを取り付けます。




Z軸のマイクロスイッチを取り付けます。

後でわかるのですが、このマイクロスイッチの向きを間違えてしまいました。
また、正しい向きにすると、スイッチプレートがロッドと干渉します。




入力信号線を制御ボードに配線します。




ファン及びヒーター出力線を制御ボードに配線します。




ステッピングモーター出力線を制御ボードに配線します。




USBケーブルを配線し、タイラップやスパイラルチューブで各種コードをまとめます。

最後に可動部分(XYZ軸のロッドとZ軸駆動長ネジ)にグリスを塗ります。
これで、ハードウェアは完成です。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-ホットエンド組立

投稿 火 8/20 15:28:56 2013 | デジタル工作機 | hotall

ホットエンドはエクストルダー駆動装置から送られたフィラメントを溶かし、ノズルから出します。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






ノズル温度を測定するサーミスターに絶縁用のヒシチューブを被せます。




マッチでヒシチューブを収縮させます。




収縮させた結果です。




サーミスターをヒータブロックに取り付けます。




サーミスターのリード線に圧着端子を取り付けます。




圧着端子にヒシチューブを被せ、熱で収縮させて固定します。




ノズルの穴を確認します。
穴が見えません。詰まっているようです。




公式マニュアルではアセトンで洗うように書かれていましたが、手元にないので、ラッカーうすめ液を使うことにしました。




ボールにラッカーうすめ液を入れ、ピンセットでノズルを濯ぎます。




穴が見えるようになりました。




ボールにはこんなにゴミが残っていました。ノズルの削りカスですね。




ノズルの内径をフィラメントの太さに合わせます。
ノズルにエクストルーダーとの連結チューブの一部を切り取ったものを挿入し、ノズルのサイズに合わせて切り落とします。




こんな感じになります。




エクストルーダー駆動装置との連結チューブにヒーターブロック取り付けよう金具を取り付けます。




金具を取り付けると、チューブが圧迫され内径が細くなるので、2mmドリルで広げます。




ファンにヒートシンクをねじ止めし、コードを束ねるタイロックを取り付けます。




ヒーターブロックのヒートシンク接触面に熱伝導グリスを塗ります。




ヒートシンクにヒーターブロックをねじ止めします。




ヒーターブロックに連結チューブをねじ込みます。




ヒーターブロックにノズルをねじ込みます。




ノズルをナットで固定します。




ヒーターブロックにヒーターを取り付けます。
熱の伝わりをよくするために、シリコングリスを塗ります。




サーミスタ用のコードを作成します。一方の端に圧着端子を取り付けます。




サーミスタにコードを繋ぎます。




各種コードを束ね、タイロックで固定します。
コードの先にコネクタ用の圧着端子を取り付けます。




コネクタハウジングに圧着端子を収めます。




制御ボードへのケーブルを作成します。

これで、ホットエンドは完成しました。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-エクストルーダ駆動装置組立

投稿 日 8/11 22:19:18 2013 | デジタル工作機 | hotall

エクストルーダー駆動装置はフィラメントをホットエンドに送り出す装置です。
ステッピングモータで内丸刃を駆動し、フィラメントをホットエンドに送ります。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






内丸刃に動力を伝達するギアを準備します。
ギアのシャフトとなるのは六角ネジです。ギアにはこの頭がはまるへこみがあるのですが、ここにバリがあったので、取り除きました。




ギアにシャフト用ネジをはめ、ベアリングを通します。
内丸刃を強く固定するために、強力接着剤を少量ギア塗布します。




シャフトに内丸刃をはめます。




メインブロックとステッピングモーターを樹脂のスペーサーを間に入れて、ネジで固定します。




内丸刃と対でフィラメントを押さえるベアリングを取り付けます。
写真はベアリングを取り付ける前にネジを刺したみた状態です。




ステッピングモーターのシャフトにギアを取り付けます。




メインブロックに内丸刃のギアを取り付けます。




メインブロックとホットエンドを繋ぐ連結チューブにメインブロックとの接続端子を付けます。
フィラメントを刺してみて、スムーズに通ることを確認します。




端子を取り付けると、チューブが圧迫されるので、穴が細くなってしまいます。
2mmのドリルで、穴を広げます。




チューブをメインブロックに挿し、クリップで留めます。




チューブの端からフィラメントを入れてみて、内丸刃まで届くことを確認します。
私の場合は、メインブロックの入り口でつかえてしまったので、少し太めのドリルで、すり鉢状に削りました。
内丸刃まで届いたら、ギアを回してみて、反対側から出てくることを確認します。
滑ってしまう場合は、ベアリング押さえ用のネジを締めて調整します。




メインブロックをフレームに取り付けます。




エクストルーダ駆動装置が完成しました。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-ヒーテッド・ベッド組立

投稿 木 8/ 8 17:23:26 2013 | デジタル工作機 | hotall

ヒーテッド・ベッドは製品を乗せる台です。
Y軸機構により移動します。また、樹脂の収縮を防ぐために加熱します。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






ヒーター用のプリント基板に、コネクタとジャンパをはんだ付けします。






プリント基板に伝熱グリスを塗ります。特に、サーミスタに熱が伝わるように盛ります。
今回、CPUヒートシンク用に購入した銀入りのグリスを塗ってみたのですが、全面を塗るには少なすぎました。






伝熱グリスが不足したので、新たにシリコングリスを購入しました。勿体ないので、銀入りグリスはサーミスタ部分に使用しました。




プリント基板を表面のアルミ板と裏面のファイバーボードで鋏み、ネジで固定します。
プリント基板の中央にサーミスターがあり、アルミ板の凹みをこれに合わせます。
ネジは強く締めすぎてアルミ板から突き出ないようにします。




ベッドの高さを調整するネジを取り付けます。
下方向の圧力を吸収するためのスプリングをナットで鋏みます。




ベッドをY軸機構の台座に取り付けます。
現時点では、厳密に高さを調整しませんが、取り付けネジが下の他の部品に接触しないようにしておきます。




ヒーテッド・ベッドが完成しました。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-Z軸機構組立

投稿 水 8/ 7 15:27:01 2013 | デジタル工作機 | hotall

X軸機構で作成した昇降台を上下に移動させます。
昇降台は左右のステッピングモータから長ネジを使って駆動されます。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






Y軸ロッドとZ軸ロッドの直交度を調整します。
また、左右のZ軸ロッドが平行になるように調整します。





Z軸ロッドを固定している外側のナットを緩めます。
ロットをずらして昇降台(X軸機構)を差し込みます。
Y軸ロッドとZ軸の直交度と左右のZ軸ロッドの平行度を確認しながら、昇降台の幅を微調整します。
調整後、Z軸ロッドを固定します。





Z軸駆動モーターのシャフトに駆動用長ネジを連結するチューブを取り付けます。
モーター側、長ネジ側を固定するU字部材を取り付けます。




シャフトのU字部材が、モーター台座に接触しないように調整します。




昇降台に長ネジを受けるナットを取り付けます。
ナットを押えるバネも同時に取り付けます。




昇降台に長ネジを差し込みます。





モーターを台座に乗せ、ネジで緩く固定します。
昇降台に取り付けた長ネジを回しながら、連結チューブに差し込みます。
連結部の直線性を保つため、一旦、シャフトに触れるまで奥に差し込みます。
モーターを固定した後、長ネジを少し緩め、シャフトとの間が2mm程度離してから連結チューブを固定ます。




昇降台のX軸ロッドが左右のY軸ロッドに対し等距離になるように、長ネジを回して調整します。




これで、すべての位置決め機構が完成しました。
ようやく、3Dプリンタらしくなってきました。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-X軸機構組立

投稿 火 8/ 6 16:10:30 2013 | デジタル工作機 | hotall

RepRapのX軸の位置合わせはZ軸機構で駆動される昇降台上でホットエンドを左右に移動させます。
ホットエンドの台座はステッピングモータからベルトを使って駆動されます。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






昇降台の左右の部材のZ軸ロッドを通す箇所にベアリング用のブッシュをはめます。
ロッドを通して、滑り具合を確認します。




すこし固かったので、やすりで軽く削ってみました。
マニュアルには削りすぎないように注意書きがあったので、気を付けて削ったはずだったのですが、4つのうち1つを削りすぎてしまいました。




ブッシュと樹脂の間にメンディングテープを2枚挟むことで、丁度良くなりました。




ホットエンドの台座にベアリングをセットします。




昇降台を組み立てます。




昇降台の幅を、Z軸ロッドの幅に合わせます。
フレームの上に乗せ、ブッシュの穴と、Z軸ロッドが合うように調整します。




ベルトをアイドラーとモーターの穴を経由して、一周させます。

アイドラー用のベアリングを取り付け部材で固定します。




モーターのシャフトにプーリーをはめます。シャフトの欠けとプーリー穴のDの形を合わせます。
プーリーとモーター本体が接触しないように、紙で作ったスペーサーを挟んで、プーリーをシャフトの奥まではめます。




モーターを組み付けます。
後でテンションの調整ができるようモーター取り付け用のネジ穴は遊びがあります。最初はなるべく内側に取り付けます。




ベルト固定材として、ベルトを4cmm切り取ります。




切り取ったベルト片をホットエンドの台座に下半分だけはめます。




駆動用ベルトの端をベルト片の歯側に半分だけ潜り込ませます。
ドライバーなどで、横を押しながら、指で下に押します。




駆動用ベルトのもう一方の端の長さを調整して、先ほどと同様に半分だけ潜り込ませます。
後は指で半分だけ出ているベルトを、奥まで押し込みます。




ホットエンドの台座にホットエンド取り付け用の樹脂部材を固定します。




アイドラー側に、幅調整ネジを付けます。
事前にネジを固定するナットを樹脂材の穴に入れておきます。




X軸機構が出来上がりました。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-Y軸機構組立

投稿 月 8/ 5 15:01:13 2013 | デジタル工作機 | hotall

RepRapのY軸の位置合わせはテーブルを移動させて行います。
テーブルはステッピングモータからベルトを使って駆動されます。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






まず、スライド台座を組み立てます。
左右のリニアベアリングとその取り付け部材を組み立てます。結構ガタがあるので心配だったのですが、すべて組み上げると、ガタはなくなります。取り付け位置のばらつきと樹脂の弾力でうまくいくようです。




取り付け部材のネジ穴にバリがあったので、やすりで取り除きます。




台座ができました。




ロッドを通し、右側の2つのベアリングが台座に対し、直角になるように調整します。




両ロットのベアリング間の距離を測ります。




左右のロッドがフレームの中央に配置されるように、U字の樹脂を位置合わせします。
私の場合、ロッド間が108mm、フレームの左右の樹脂間が142mmだったので、フレームの左右の樹脂から17mmの位置にU字の樹脂を配置しました。




右側の2つのベアリングにロッドを通し、フレームに取り付けます。




ロッドの位置を確認しながらナットを締めます。
反対側も同様に行います。




台座の左側のベアリング取り付けネジを少し緩め、左側のロッドを、フレームのU字樹脂とベアリングに通します。
ロッド間の距離が、先ほど台座で測定した距離になるように調整します。




ロッド間の距離を確認しながらナットを締めます。




反対側も同様に行います。




台座を前後に移動させ、スムーズに移動することを確認します。
確認したら、先ほど緩めていた左側のベアリング取り付けネジを締めます。




次にモーターを組み付けます。
モーターのシャフトにプーリーを取り付けます。
シャフトには滑り止めの欠けがあるのですが、樹脂のプーリーの穴にも平らな角があるので、これに合わせます。




モーター取り付け部材をモータに取り付けます。
二つの樹脂部品がずれないように指で押さえながらネジを締めます。




プーリーがモータ本体に触れないように、スペーサーとして紙を用意します。




モーターとプーリーの間に紙をはさんで、プーリーを奥まで差し込みます。




モーター取り付け位置の目安として、台座のベルト挟みの中心に印をつけます。




フレームの後ろ側にモーターを取り付けます。
先ほど付けた印がベアリングの中心になるようにします。




アイドラーを組み立てます。写真の板状のバリは取り除きます。




アイドラーのベアリングがを台座のベルト挟みの穴に合うように取り付けます。




ベルトを取り付けます。
ベルトを組み立てマニュアルに従って、台座→モーターギア→ベアリング→ねじる→ベアリング→アイドラーベアリング→台座に通します。
両端が2cmほど重なる長さに切ります。少し長めの方が、作業しやすいです。




ベルトの緩みを少なくするために、予めベルトのテンションを下げておきます。モーター取り付けネジの2つを外し、モーターをベルトが緩む方向にずらします。




ベルト挟みのネジを緩め、一方の端を反対側に出るまで通し、指でこれを抑え、もう一方の端を凸凹が噛むようにベルト挟みの穴に差し込みます。
その状態で、ベルト挟みのネジを締めます。

ずらしていたモーターを元に戻し、ベルトにテンションをかけます。

これで、一応、Y軸機構は完成です。
後はモーターのギアを指で回して、台座がスライドすることを確認するのですが、私の場合は台座がほとんど動きませんでした。
そこで、原因を調べてみました。





まず、モーター側の取り付け樹脂のベルト穴が狭く、摩擦が大きくなっていました。




ネジの締め付けを緩めると、改善されるのですが、これではモーターにガタが発生してしまいます。
そこで、取り付け樹脂の間に、紙で作ったスペーサーを挟みました。




次にモーター側のベアリングを樹脂の間隔が狭く、ベルトが挟まってしまい、動きが悪くなっていたので、締め付けを若干緩めました。




更にアイドラーの樹脂にバリがあり、これが、ベルトに当たっていました。




バリをやすりで削ります。もともと、ベルトをガイドするために出っ張りがあるので、これは削らず、とげのように出っ張った部分だけ削ります。

アイドラーのベアリングも、ベルトを挟み込まないように、若干緩く締めます。

これらの対策を行った結果、台座がスムーズに動くようになりました。




Y軸機構が完成しました。
スムーズに動かすために、精度を要求されるので、結構、苦労しました。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-フレームの組立

投稿 土 8/ 3 18:06:22 2013 | デジタル工作機 | hotall

まずは、プリンタの基本構造であるフレームを作成します。
このプリンタのフレームは長いネジの金属棒で構成されています。これを樹脂パーツで固定、接合していきます。
ホームセンターに売っているような部材なので、多少頼りない気がしますが、この敷居の低さがRepRapの特徴でもあるのですね。


この文書は個人的なものであり、公式組立マニュアルから私の理解した事柄を補足的に記述したものです。この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。組立に当たっては、基本的にRepRapサイトの公式組立マニュアルを参考にしてください。






樹脂パーツはRepRap自身で作成されているので、バリは結構あります。




組み立てる前に、やすりでバリを取ります。樹脂は柔らかいので、削りすぎに注意します。




まず、側面の三角形を2つ作ります。
指定された長さで緩く組み立てます。後で正確に長さを合わせます。




二つの三角形を合わせ、残っているねじで固定します。
両方の樹脂パーツがぴったり合うようにしっかり固定するのが秘訣です。
ここでの作業の精度が後の作業に影響します。




三角形の各辺の長さを指定された通りに調整します。
ナットはしっかりと締めます。
二つの三角形の合わせ目がフレームを組み立てた際も同じように向かい合わせになりますので、後でわかるように印をつけておきます。
二つの三角形を固定していたねじを外します。




二つの三角形を繋ぐ棒を組み立てます。写真は底の棒です。




二つの三角形を繋ぎます。この段階では緩く組み立てます。




二つの三角形間の距離が等しくなるように位置合わせをして、一番下のねじから締めていきます。
まず、位置がが固定できる程度に手で軽く締めて、樹脂を挟んでいる両方のナットを同時に両手で締めていきます。
次にスパナを使って、すべてのナットを同じトルクで少しずつ増し締めし、都度、距離を確認します。




増し締めする際、左右の三角形の底辺の棒を板で軽く押さえながら行うと、足の浮き少なくなります。




締め終わってみると、どうしてもどれかの足が浮いてしまいます。
その場合、浮いていない方の足の下に対角に板を引き、浮いている足と対角の足の底辺の樹脂を軽く下に押えます。そして再度足の浮きを確かめてみます。この作業を少しずつ繰り返します。




次に垂直方向の調整を行いますが、重力を利用するので、作業机をできるだけ水平に調整します。
これは必須ではありませんが、次のフレームの水平合わせが楽になります。




フレームを水平にするために、足の下に引く紙を用意します。
私は粒ガムの包み紙を使いました。




まず、左右方向を水平にします。




次に左側の前後方向を水平にします。




左の垂直スライドバーの取り付け穴から小さなおもりを付けた糸を垂らし、下の取り付け樹脂の穴を通します。
糸がたわむ場合は、水で濡らします。




双方の穴が垂直になるように下のU字樹脂の位置を調節します。

この一連の作業を右の垂直スライドバーについても行います。




垂直スライドバーを組み付けて完成です。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)の組立-はじめ

投稿 土 8/ 3 15:31:42 2013 | デジタル工作機 | hotall

3Dプリンタが話題になり、新たな産業革命と騒がれています。
そのインパクトが社会に対し、どの様に影響するかは考えも及びませんが、製造技術を持たない者が、思い通りの造形物を作ることができるということは、少なくとも私のようなDIYを趣味とする者にとって、強力な道具を手に入れられるということには違いありません。

最近では個人でも購入できるものが出てきました。と云っても取り敢えず買ってみようかなという金額ではありません。
また、低価格のものは、造形物の精度が低く、適用範囲は限られるので、コストに見合うものかどうか疑問が残ります。

そのうち、どんどん価格は下がり、高精度になっていくでしょうから、しばらく様子をうかがうのが賢明でしょうが、私の中の興味の虫が騒ぎ、購入欲を抑えられそうにありません。
そこで、なるべく安いものを手に入れようと決心しました。

調べてみると、現在主流の熱溶解積層法プリンタには組立キットがあり、完成品より安く手に入ります。
組み立てる手間がありますが、DIYが趣味ですので、願ったり叶ったりです。

熱溶解積層法プリンタは、RepRapというプロジェクトで製作方法が公開されており、これを元にしたキットがあちこちで販売されています。
日本のメーカーからも販売されていて、サポートも良さそうですが、今回はなるべく安くすませるということで、本家のキット(RepRapPro Huxley)を購入しました。


この文書は個人的なものであり、この記述を参考に製作された場合の一切の責任を負いかねます。






注文すると2週間程で到着しました。




開封しました。




中身はこれだけあります。

ドキュメントがすべて英語なので苦労しそうですが、ゆっくり組み立てていこうと思います。