3D年賀状(2017)

投稿 2017年01月07日 22時28分11秒 | 3Dプリンタ | hotall

私の場合、一年は年賀状作りと共に終わりを迎えます。

年を追うごとに短くなる一年間は、その成果を実感し辛くなってきました。
今年も年賀状の話を耳にすると、ああもう一年が経ってしまったのかと、思わずため息を漏らしてしまいます。
そして、年賀状作りを始めるのです。

昨年も3Dプリンタを使った年賀状でした。大変な作業で、限られた数しか作成できませんでしたが、一年で最後の成果を感じることができました。
なんだかんだ言いながら、今年も、懲りずに3D年賀状にすることに決めたのです。




過去2回の作品は置物でしたが、今年は動きのあるものがいいなと漠然と考えていました。
鳥の羽ばたきを想像しながら、机の上のクリップを眺め、「あ、これにしよう」と決めました。

ダブルクリップや目玉クリップを作るにあたり、どうしても解決しないといけない問題があります。それはバネをどうするかです。

初めは、バネだけを汎用品を購入して同梱しようと思いましたが、以前、クリップハンガーでプラスチックのバネが使われているのを見たことがあり、また、3DプリンタのフィラメントであるABS素材がしなりがあることとを考え合わせ、バネも3Dプリンタで作ってみることにしました。

鋼線材と違い、3Dプリンタでは螺旋構造は困難ですので、ダブルクリップのような単純な構造にする必要があります。

しかし、ダブルクリップの構造では、そのカーブが大きく変化している個所で局所的に力がかかります。プラスチックの場合、強度面からバネ全体で均等に力がかかるように、カーブが緩やかに変化するようにしなければなりません。

また、たわみやすい両腕の部分も少しふくらみをつけて、これを改善します。

この方針で、いくつか太さや大きさを変えて、バネのつよさと、組み立てやすさのバランスを探りました。

あとは鳥の形を模したレバーとそれを支える軸部分を作成します。
今回も、はがきサイズの封筒に梱包するので、平板の部品を組み立てるものとします。

各部材を固定する方法ですが、以前、馬の置物では部材をスライドして固定しました。今回はバネが各部材を押さえつけているので、単に差し込むだけとしました。

さて方針が決まったので、3D CADでモデルデータを作成します。

データをGCODEに変換して3Dプリンタで出力します。

各部品はやすりでバリを取り除きます。これが結構大変です。

組み立てます。

どんどん出力して組み立てます。

これを分解して、厚紙で作成した封筒に貼り付けます。
封筒の裏面は組み立てマニュアルになっています。

今回は部品点数が多いので、うまく組み立ててもらえるでしょうか。
今年もすべてを完成したのが大晦日になってしまいました。
完成した年賀状をカバンに積み込み、妻と一緒に出かけます。

除夜の鐘を聞きながら、郵便局前のポストに投函。
その足で近所の神社へ初詣に向かいます。

風もなく、穏やかな年越です。
型通りの儀式を済ませた後は、頂いたお神酒でほんのり温まり、末吉のおみくじをくくり付け、家路につきます。
静まり返った家並に二人の足音だけが響いていました。

いい年でありますように。



下表は今回設計・使用した部品の一覧です。
3Dデータ(STLファイル)もアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
項目数量入手
3D部品12ダウンロード
パッケージ印刷1ダウンロード

Windows10 Anniversary Updateで画面が真っ黒

投稿 2016年10月06日 12時35分29秒 | パソコン | hotall

スマホもパソコンも、最近のOSは自動で更新されるようになりました。巷ではOSが自動更新されることを新バージョンが降ってくるなどと表現されています。
予期せず訪れる災難は降って湧くと言いますが、私の場合、今回のWindowsのアップデートはまさにそんな災難でした。

妻のパソコンが急に遅くなり、通信ができないと不満を漏らしていたその直後、OSの自動更新が始まりました。まるで、OSインストールの時のように長時間の更新処理で、調べてみるとこれが「Windows10 Anniversary Update」であることを知りました。
私のパソコンもそのうち始まるだろうと覚悟していましたが、しばらくは何も起きず、そのうちアップデートのことは忘れてしまいました。

昨日、私がパソコンでスカイプをしていると、突然、音声が出なくなり、設定を確認したり、色々対処をしましたが、手に負えず再起動をすることに。
電源オプションを表示したところ、表示が「更新して再起動」になっているのに気づき、その時、Anniversary Updateが降ってきたのだと悟りました。


再起動すると、長々と更新処理が続き、ようやくログイン画面。
パスワードを入力して、ログインすると、「ようこそ」表示の後に本来ならデスクトップが表示されるのですが、画面が真っ黒になり、いつまで経っても画面が表示されません。
ただマウスカーソルだけが空しく表示されています。



自動アップデートで動作が不調になることは、珍しくありません。
そんなときの対処方法は「セーフモードで起動して、回復処理で以前の復元ポイントにもどす。」です。

今回は、デスクトップ画面が表示されませんが、キー操作(Ctrl+Alt+Delete)である程度の操作はでき、不具合の程度としては軽症であると感じたので、元に戻すのではなく、このまま色々対策してみることにしました。

マイクロソフトのサイトに現象が全く同じ不具合についての記事:「Windows 10 にアップグレード後、黒い画面が表示される場合の対処法」を見つけました。
まずは、これらの対処方法を試してみることにしました。

(1) 周辺機器を取り外す
USBの接続機器と、PCI-Expressカードを外しましたが、現象は変わりません。

(2) グラフィック カード ドライバーを再インストールする

イベントログを調べてみると、igfxHK.exeとExplorer.EXEの2つのディスプレー関連のエラーが見つかりました。

エラーを見る限り、最新ドライバーの再インストールは有効な感じはしましたが、これも変化はありませんでした。

(3) レジストリを確認する
UIのプログラムが置き換わっているか調べましたが、これもありませんでした。

(4) ユーザー アカウントが破損していないかを確認する
これも試しましたが効果はありませんでした。

(5) ハイ コントラスト モードの確認を行う
ハイコントラスモードは「なし」になっていました。

対策も行き詰まり、渋々、いつものように回復処理を行うことにしました。

セーフモードで立ち上げ、[コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[セキュリティとメンテナンス]-[回復]で[システムの復元を開く]を表示させます。

ところが復元ポイントには何も表示されません。
今回の更新は従来のサービスパックと同様のアップグレード扱いだったのです。

更に調べてみると設定画面には、[設定]-[更新とセキュリティ]-[回復]に「以前のビルドに戻す」メニューがあったので、これを試してみることにしました。
ところが、ボタンを押しても何も起こりません。

いよいよ手詰まりの状態となり、Windows10をインストールした時点の回復ディスクを使わなければならないと思い始めていたところ、再起動オプションを設定する過程のトラブルシューティング画面に「以前のビルドに戻す」メニューがあることに気づき、ダメ元で試してみることにしました。

すると、復元処理は正常に行われ、更新前の状態に戻すことができました。

OSの更新は必要なことだとは理解していますが、心の準備もなく突然これが実行され、作業を中断されるだけでなく、強制的に更新のリスクを負わされるのは如何なものかと思います。

今回の更新は丸一日を費やした、とんだ災難でした。


[追記]

復元処理の後、再度、Anniversary Updateが自動実行され、再び、画面が真っ黒になる現象が発生しました。
同様に「以前のビルドに戻す」を行いましたが、これ以上この問題で悩まされたくないので、次の設定を行いました。

[設定]-[更新とセキュリティ]-[WindowsUpdate]-[詳細オプション]で「アップグレードを延期する」にチェックを入れました。


[追記:問題解決]

「アップグレードを延期する」にしてから、しばらく経って、ふと、以前、システムのレンダリング処理をgdippに変更したことを思い出しました。

WindowsのTrueTypeフォントの描画がアンチエイリアスされず、MACと比較して字が汚いという問題は、OSのバージョンアップが頻繁に行われるのにもかからわず、一向に改善されません。これに待ちきれない多くのユーザーが、有志により作成された代替描画処理プログラムを使うようになりました。

私も、以前はWindowsの文字表示について、それほど意識することはありませんでしたが、スマホなど高解像のきれいな文字を日頃から目にするようになると、Windowsの文字が洗練されていないと感じるようになり、このプログラムをインストールしました。

インストール直後、文字が綺麗になったことに満足していましたが、これが時間とともに当たり前になり、このプログラムを意識しなくなりました。そして、存在自体すっかり忘れてしまいました。

先日のOSの更新問題をどうしようかと悩んでいる中、突然、これらことを思い出したのです。
もし、gdippが関係するのであれば、イベントログに記録されているエラーがディスプレイ関係であることとも符合します。

ネットで検索を掛けてみると、案の定、Windows10 Anniversary Update上でgdippが正常に動作しない不具合が報告されていました。
その内容を整理してみると、gdippがシステムの描画処理をフックするのに使用しているEasyHookというライブラリがWindows10 Anniversary Updateに対応していないということです。

既にEasyHookにはこの対策が行われて、新しいバージョンが公開されています。
その後、gdippの兄弟プログラムであるMacTypeは、これを同梱した新しいインストーラを提供しました。

これに対し、gdippはメンテナンス活動を停止しているので、インストーラーはバージョンアップされず、ユーザは自力でEasyHookを更新しなければなりません。

しかしながら作業自体は簡単で、github.ioから最新版のEasyHook(現時点:v2.7.6035.0 (July 10, 2016))をダウンロードして、この中のバイナリファイル(NetFX4.0フォルダ上のEasyHook32.dll及びEasyHook64.dll)をgdippのインストールフォルダ(通常:C:\Program Files (x86)\gdipp)に上書きコピーするだけです。

この作業を行った結果、私のパソコンのWindows10 Anniversary Updateは正常に動作するようになりました。

紆余曲折ありましたが、この問題が解決できて本当に良かったです。
なぜなら、一度、綺麗な文字表示に慣れてしまうと、なかなか元には戻れませんから。

コンデジ(RICOH GR DIGITAL II)マクロ用リングライトの作製

投稿 2016年09月29日 14時48分29秒 | 3Dプリンタ | hotall


私はブログに掲載する写真の撮影はコンデジ(RICOH/GR DIGITAL II)を使用しています。

ニュースで最新カメラの記事を目にする度、一眼レフでも買えば、もっといい写真が撮れるのでは思っては、やはり機材より腕なんだろうなと思いとどまり、このカメラを使い続けています。
私が撮る被写体は小さなものが多いので、マクロモードで撮影することが多いのですが、いつも悩まされることがあります。被写体にライトを当てようとすると、カメラ自身が影となってしまい、なかなかうまくセッティングできないのです。

そこで、マクロ用リングライトを作製することにしました。



手元に、以前、秋月電子から購入した白色LEDキットがあったので、これを使用することにしました。
このキットは最大125mAを出力できるチャージポンプIC:LTC3202により2.7V-4.5Vを入力として、5つのLEDを駆動します。

このキットを使用し、LEDを埋め込んだリングライト本体と、駆動回路を備えた電池ケースを繋いだ構成とします。

リングライト本体は、フィルター用のバヨネット爪に取り付け、電池ケースはアクセサリーシューに取り付けるようにします。

筐体を作製するにあたり、まず、いつものように3Dデータを作成します。

これを3Dプリンタで出力します。

バリを取ります。
レンズフードと接する内側は、紙やすりで、LED取り付け孔はピンバイスで削ります。

裏側のバヨネット爪の部分も滑らかにします。

LEDのカソード側配線の準備をします。
今回は線材に裸の錫メッキ線を使うので、被覆用のヒシチューブを用意します。
抵抗の両端は、メッキ線を通す輪っかを作ります。

メッキ線に一定間隔(31mm)で抵抗をはんだ付けし、間をヒシチューブで覆います。

LEDのアノード側配線も一定間隔(31mm)にLEDのリード線を通す輪っかを作り、間をヒシチューブで覆います。

LEDを用意します。
長いほうのリード線がアノード側です。

LEDを筐体の孔に差し込みます。

各LEDのリード線はアノード側、カソード側の方向(右回りまたは左回り)を合わせます。

各LEDのカソード側のリード線を、先ほど用意した線材の抵抗の輪っかに通し、はんだ付けします。

不要なリード線はカットし、カソード側のリード線をアノード側と反対方向に倒し、線材を奥に押し込みます。

アノード側も同様に、メッキ線の輪っかにリード線を通し、はんだ付けします。

不要なリード線をカットし、カソード側と反対方向に倒し、押し込みます。

電池ケースとの配線用コード(V OUT,GND,FB)をはんだ付けします。
コードの断線防止のため、ブッシュとしてヒシチューブを被せておきます。

接合部を押し込んでおきます。

次に電池ケースの配線をします。
今回使用する電池ケースです。

単三3本のスイッチ付です。

スイッチ側に隙間があり、ここに制御基板を格納できそうです。

これが制御基板です。

リングライトからのコードと電源コードを制御基盤にはんだ付けします。
帰還制御電圧の設定(D1,D0)は最高(共に+電源:VINに接続)としました。

絶縁のために、カプトンテープを巻きます。

基板を押し込みます。

アクセサリシュー取り付け部品と滑り止めを3Dプリンタで作成します。
滑り止めを両面テープで電池ボックスに貼り付けます。

リングライトの裏側に蓋をします。

反射板としてアルミ箔を切り抜きます。

両面テープで貼り付けます。

表蓋をして出来上がりです。

カメラに取り付けます。

点灯してみます。

撮影してみました。
点灯前です。
右側がカメラの陰になっています。
左上のコネクタラベルも陰になって暗いです。

点灯後です。
影がなくなりました。
最初に点灯した時、思っていたより光量が少なかったので、少し心配になり、改良方法について色々思案していました。
しかし、実際撮影してみると、外部光との併用で自然な感じに撮れていたので、このまま使用することにしました。

これで、マクロ撮影も少しは楽になりそうです。



下表は今回設計・使用した部品の一覧です。
3Dデータ(STLファイル)もアップしましたので、個人的な利用の範囲で、自由にお使いください。
項目数量入手
リングライト筐体1ダウンロード
裏蓋1
表蓋1
シュー取付部品1
電池ケース滑り止め2
白色LEDチャージポンプキット
LTC3202
1秋月電子通商
電池ボックス 単3×3本
リード線・フタ・スイッチ付
SBH-331AS
1
その他、線材、ヒシチューブなど適宜市販品購入

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)のCPU交換(ソフト)

投稿 2016年07月15日 17時57分18秒 | 3Dプリンタ | hotall

前回は3DプリンタのCPU破損に伴い、MelziボードのCPU(ATMEGA1284P)を交換しました。
今回は、交換したCPUにソフトをインストールします。

この文書は個人的なものであり、読者による修理を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。


CPUに制御ソフトをインストールするにはMAC,Linux,Windowsのいずれかのパソコンが必要です。
私のパソコンはWindows10/64bitですので、この環境で作業を進めます。

ブートローダーの書込み

RepRapの制御ソフトはArduinoで開発されています。従って、Arduinoの開発環境を使ってターゲットCPUにインストールする訳ですが、その前提としてパソコンからファームウェアを転送するために、事前にブートローダーがCPUに書き込まれている必要があります。

Melziを含め、市販のArduinoボードには既にブートローダーが書き込まれています。しかし、今回、CPUを新しく置き換えたため、自身でこれを書き込む必要があります。

ブートローダーを書き込むには、書込み装置とソフトが必要です。今回、書込み装置にはAVRISP mkIIを、ソフトにはAtmel Studioを使用します。


AVRISP mkIIは秋月電子通商から購入しました。

Atmel StudioはAtmelのホームページから最新版(Atmel Studio 7.0 (build 1006) web installer)をダウンロードします。

このツールはVisual Studio2015をベースにしているので、インストーラを起動すると、まずこれがインストールされます。インストール後、再起動が求められこれを行いますが、インストールはまだ終わっていないので注意が必要です。再度、インストーラを起動して後続の処理を行います。

尚、このツールはファイルパスに日本語があるとエラーになるので、名前に日本語を含まないユーザーでログインする必要があります。

次にCPUに書込むブートローダープログラムを入手します。

これはファームウェアプログラムに含まれていますので、これら一式をここからダウンロードします。ファームウェアの名前はMarlinで、このリンクのバージョンはReprapproによりフォークされたものです。

入手したファイルは解凍して、適当なフォルダに配置します。ファイルは後述のファームウェアのインストール時にも使用します。


書込み装置をパソコンと制御ボードに接続します。制御ボードには電源を接続し、給電しておきます。

Atmel Studioを起動します。
画面上部の各入力欄に次の設定を行い、Applyボタンを押します。
Tool: "AVRISP mkII"
Device: "Atmega128P"
interface: "ISP"


AVRISP mkIIのファームウェアにアップデートがある場合はアップデートが求められるので、これを行います。

[Read]ボタンを押してDevice SignatureとTarget Voltageを取得します。

[Memories]をクリックして、メモリ操作画面を表示します。
念のため、[Erase Chip]-[Erase now]ボタンを押して、メモリをクリアします。

Flashデータに先ほどダウンロードしたファームウェア内のブートローダープログラムファイルを指定します。
sanguino\bootloaders\atmega\ATmegaBOOT_1284P.hex

[Program]ボタンを押して、ブートローダーを書き込みます。

[Fuse]をクリックし、ヒューズ情報を表示します。

Fuse Registerに次の値を入力します。
EXTENDED: 0xFD
HIGH: 0xDC
LOW: 0xD6
この値は、ダウンロードしたファームウェアファイルのboards.txtで指定されている値です。

[Program]ボタンを押して書き込みます。

警告メッセージが出ますが[Continue]ボタンを押して継続します。

[Lock bits]をクリックしてロックビット画面を表示します。

LOCKBIT欄に0x0Fを設定します。この値もboards.txtで指定されています。

[Program]ボタンを押して書き込みます。

これでブートローダの書込みは完了です。

制御ボードのリセットボタンを押すことにより、ブートローダは起動します。ファームウェアはUSB経由でArduino開発ツールから書込み可能となりました。


ファームウェアの書込み

ブートローダーに続き、ファームウェアを書き込みます。

まず、Arduino開発環境を構築します。

Arduino開発ツール(Arduino IDE)のWindows Installer版をここからダウンロードし、インストールします。

このパッケージにはMelzi関連のハードウェア情報が含まれていないので、先ほどダウンロードしたファームウェアファイルの中からハードウェア情報ファイルを取り出し、IDEのインストールディレクトリ上にコピーします。

本来この作業はコピーするだけの簡単な作業ですが、ファームウェアが開発された時点のAduino IDEと最新のAduino IDEのバージョンでは、ハードウェアファイルの形式に互換性がなくなっているので、以下のような多少面倒な作業となります。

ダウンロードしたファームウェア中の'sanguino’フォルダとその内容をIDEの'Arduino/hardware/’フォルダにコピーします。

コピーしたsanguinoフォルダの下にavrフォルダーを作成し、sanguinoフォルダ直下のファイル及びフォルダを移します。

\sanguino\avr\bootloaders\atmegaの下のブートローダー関連ファイルを\sanguino\avr\bootloadersに移動します。

\arduino\avr\platform.txtファイルを\Sanguino\avrフォルダにコピーし、内容を編集します。

name=Arduino AVR Boards

name=Sanguino AVR Boards
に変更します。

boards.txtを編集します。
atmega1284.upload.protocol=stk500v1

atmega1284.upload.protocol=arduino
に変更します。

atmega1284.bootloader.tool=arduino:avrdude
を追加します。

arduinoのスケッチフォルダ(<ドキュメント>\Arduino)にダウンロードしたファームウェアファイルのMarlinフォルダをコピーします。

制御ボードのUSBコネクターとパソコンのUSBコネクタをUSBケーブルで接続します。


Arduino IDEを起動します。
[ファイル]-[スケッチブック]メニューから"Marlin"を選択し、ファームウェアのスケッチブックを開きます。

ファームウェアファイルは書き込むハードに合わせてソースコードの変更が必要となります。

Configuration.hを編集します。

//#define REPRAPPRO_HUXLEY
行のコメントアウトを外します(先頭の//を削除)。

//#define REPRAPPRO_MELZI
行のコメントアウトを外します。

ホットエンドのサーミスタ直列抵抗(R5)の値により
//#define SERIAL_R 4700
または
//#define SERIAL_R 10000
行のコメントアウトを外します。


私のボードは472(4.7KΩ)なので前者の行のコメントアウトを外します

[スケッチ]-[検証・コンパイル]メニューでスケッチブックをコンパイルします。

今回ダウンロードしたファームウェアの場合、何故か関数重複定義エラーが発生しました。
Marlin:585: error: previous declaration 'bool code_seen(char*)....

調べてみると、引数が異なる同一名の関数:code_seenが2つ存在しています。
bool code_seen(char code_string[])
bool code_seen(char*)
コードを見ると、前者は使われていないので、削除しました。

書き込み先の設定を行います。

[ツール]-[ボード]メニューで"Melzi 1284p 16mhz"を選択します。

[ツール]-[シリアルポート]で制御ボードのUSBシリアルポート番号を選択します。

[スケッチ]-[マイコンボードに書き込む]メニューをクリックし、ファームウェアを書き込みます。

書込み後、制御ボードのリセットボタンを押下し再起動します。
後は、XYZ軸のキャリブレーション値などの後で設定した値について、組み立て時と同じ要領で設定して終了です。

以上の作業で無事、機能するようになりました。
ボードごと交換することに比べ、手間がかかってしまいましたが、古いボードが再利用できて良かったです。
実は、保険として安価なボードを購入していましたが、今回は出番がなかったので、将来の補修部品としてストックしておくことにしました。

3Dプリンタ(RepRapPro Huxley)のCPU交換(ハード)

投稿 2016年07月06日 17時36分13秒 | 3Dプリンタ | hotall


先日のヒーテッドベッドの修理でCPUを破損してしまったので、新たな修理が必要となってしまいました。
Huxleyの制御ボードはArduinoの派生基板でMelziと呼ばれるものです。バージョンは2です。
Melzi ver2のボードはネットで安く手に入りますが、多くはモータードライバがver1のままのA4988が実装されています。これに対し、私の購入したボードはebay経由のRepRapPro純正の純粋なver2で、モータードライバも熱トラブルの少ないA4982となっており、会社が撤退した今、手放すには惜しい製品です。
そこで、CPUのみ交換することにしました。
この文書は個人的なものであり、読者による修理を推奨するものではなく、内容について一切の責任を負いかねます。


まず、CPUを取り外さなければなりません。

パッケージはTQFP。狭ピッチの4辺ピン配置で表面実装になっています。
これらすべての足を同時に加熱しなければ、取り外せない、少々厄介な代物です。

ホットブローや低温はんだなど、外し方にはいくつかあるのですが、今回は以前ネットで見つけた銅線を使用する方法を試してみることにしました。


銅線を用意します。
私はホームセンターで1.2mmのものを購入しました。

CPUのすべての足と接触するように、銅線を写真のように折り曲げます。

銅線の下の面が平らになるようにハンマーで叩きます。

微調整を繰り返して、CPUのすべての足が銅線に接触するようにします。
地道な作業で、数十分を要します。

銅線に予備はんだをします。

CPUを持ち上げるために、ワイヤーを足に通します。
私はラッピング線の被覆を剥いたものを使用しました。

CPUの二辺にワイヤーを通し、その上から銅線を置き、ワイヤーを縛ります。

更に縛ったワイヤーが解けないように、はんだ付けします。

銅線とCPUの各足にはんだを盛ります。

銅線の中央部にはんだごてを押さえつけるように当て、ワイヤーをペンチでつまみます。

銅線のすべての半田が解ける必要があるので、半田ごてのこて先は大きめのものを使用し、温度は高めにします。
わたしの場合、白光FX600にT18-C3のこて先を装着し、420℃に設定しました。

こてを当てて、すべての半田が融けるまで待ちます。今回は20秒くらいで融けました。

はんだが融けたら、ペンチでつまんだワイヤーを持ち上げるように力を加えます。このとき基盤が浮き上がらないように小指で押さえます。

CPUが外れました。

外したCPUです。
足が数本取れてしまいました。
今回は、再利用しないのでこれでもOKとします。

基板の方は、半田の一部が流れ落ちていますが、思ったよりきれいな状態です。

よく見るとランドの1つがめくれあがっています。
折れないようにそっと元の状態に戻します。

古いはんだを吸い取ります。

ランドに予備はんだをします。

新しいCPUを用意します。
CPUはATMEGAの1284Pで、8bitのRISCプロセッサです。
私は秋月電子通商から購入しました。

ランドに合わせて、CPUを乗せ、2本の足をはんだで仮止めします。

すべての足をはんだ付けします。
細めのこて先で低めの温度にします。今回はこて先T18-C1で320℃としました。
余分なはんだは吸い取り線で取り除きます。

最後に念のため、隣り合う足にブリッジがないことをテスターで確認します。

これで、ハード的な作業は終わりました。

この後、ソフト的な作業が必要となります。
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